「……あのさぁ、これ」
「言わんとすることはわかる」
甘い空気の中、隅の方で飯をつつくヴァレファールと他数人。
子羊の教団で開かれた祝宴の儀式。腹一杯食えるので樹林の蛙達が大はしゃぎする様を見るのが恒例行事となっているこの儀式に、もう一つ既視感にまみれた光景が。
皿ごとに分けられたさまざまなお菓子、ウェディングケーキを彷彿とさせる誰が食えるんだと言うほど大きなショートケーキ。極めつけには目の前にある現在進行形で火にかけられたチョコレートの鍋と、その脇に積み上げられた大量のマシュマロや果物。俗に言うチョコレートフォンデュというやつだ。
一ヶ月前にも見たぞこの光景。なんなら量増えてんぞ。
なんだこれ二次会か?
言いたいことは腐るほどあるが一応空気を読んでグッと堪える俺に、横にいたサレオスが苦笑いで返す。
2155