結果、犬も食わないということで。「かわいく照れるファルガーが見たい。」
「病院なら予約してやるぞ。」
ダイニングテーブルの上で両手を組んで真剣なトーンで告げるヴォックスを、ファルガーは見やることも無く言葉で一蹴した。
もう日も高く昇り、ファルガーの愛でている観葉植物が穏やかな光で照らされている。その植物も主人自らの手で注がれる水に生命力を増したように見えた。
遅めの朝食を食べ終わって、少し微睡むようなその時間。
そしてそこへため息をつきたくなるような戯言が放り込まれて、ファルガーはそのまま気持ちに抗うことなく息を吐き出した。
「今日俺は誕生日だぞ?俺の頼みは聞いてくれないのか。」
「朝起きた時におめでとうも言ってやったし、プレゼントも渡しただろう。あんなにkindred達にも祝われていた癖に。」
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