幸あれチヨダから始まった二人きりの旅。一緒のチームでXBしたいと語り合った矢先に始まった統治ルールに対抗するための仲間探しをしている最中。突然の雨に降られ追い立てられるようにホテルの部屋に篭る。身体を冷やしては風邪をひくからと足早に浴室に消えたカズキを、Q——いや、王次郎は想う。自らの過ちを人生を賭けて救って贖罪を提案し、今もなお隣を歩いてくれることが何よりも愛おしい。何よりも大切で守りたい存在だと王次郎ははっきりと理解している。そんなカズキの誕生日まであと1時間も無い。何かをしなければという気持ちと何をすればいいのだろうと考えがまとまらず両手で頭を抱える。今日こそは感謝と愛を。そう思っていてもどう伝えれば分からない。
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