サンプル⑥ 「はわ...!」
「お、落ち着け。怖がるだろうが」
「♥♥だって内心はしゃいでる癖に!」
小声で軽口を叩きながら横腹をちょんとつつくと、ピクっと片眉を上げジロリとこちらを睨む♥♥。思わずクスリと笑うと仕返し言わんばかりに頬を引っ張られた。
「いひゃい〜」
「はは、間抜け面」
ムニムニと揉みしだかれて遊ばれる。私のほっぺはおもちゃじゃない!一頻り笑い終えると頬から手を離された。全くもって解せない。本当に♥♥の方がはしゃいでるのに...!!絶対伸びた....。伸ばされた頬を労うように触る。微弱ながらもジンジンする痛みに、ジトッと豹馬を見るも猫に夢中なようで効果はない。
今日は♥♥の部活がなく、丸一日オフの日。折角の休みということでちょっと遠出してずっと前から二人で行きたいと行っていた猫カフェに来ている。店員さんから諸注意を聞き、いざ扉を開くと、シャム猫やアメリカンショートヘア、マンチカンといった猫好きには堪らない空間がそこには広がっていた。♥♥が大好きな黒猫もおり、先程から目でずっと追いかけている。
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