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    主にとって、彼とは。主にとって、富田江とは“自分の望みに応えてくれる刀”である。主が「愛でたいだけ」という身勝手な理由で彼の頬や額に口付けした時もちゃんと愛でられてくれている。なので、主も「この先もずっと、私の刀として愛され続けて欲しい」と思っていた。
    だが、ある日を境に「君に愛し方を教えてもらったから」と唇にキスをされるようになった。一見、それは頬や額と場所が変わっただけのように思えたが、その日を境に主は“与えられること”を期待してしまうようになった。わざと、唇の端に口付けたり、指で唇をなぞったり、瞳を長く見つめたり。その度に彼は、「君の望む通りに」と応えてくれた。まるで恋人のように触れ合うようになり、主は「方法を教えてしまったのは私だから、彼との関係がこんなことになったのは私のせいなの?」と、彼の真意も掴めないままに、彼を愛し、彼に愛されるしかなかった。
    主は彼を愛したいと願ったけれど、愛されたいとは願っていなかった。最初は本当に、自分の宝物を愛でられるだけで十分だったのだ。
    彼の“そうしたい”という意思に願いに欲に、主は優しく丁寧に、求めることを教えられたのである。

    いくら方法を教えても、原動力がなければ事は起こらないのだ。
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