今は昔、ウェイド・ウィルソンの顔がグチャグチャでもなければ、頭も狂っていない時のこと。特殊部隊での生と死が混じり合った濃厚な日々を、全て夢だと思わせるほどの緩やかな時間。
傭兵どもの集まるバーで酒を片手にボンヤリと、次はどんな仕事になるだろうか、と考えていた時だ。目の前にスッと差し出された銀色のカード、暗い店内でもそのカードはギラリと光っていて落っこちている財布を見た時のような感覚になった。
ウェイドはそのカードをマジマジと見る、少し手を動かして光を反射させると兵器を製造している会社のロゴが塑性加工されているのがわかった。まさかお次のターゲットは億万長者か?こりゃ骨が折れるぞ、と差し出してきた相手を見上げる。
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