ザクユウ特殊設定 SS ザクサは度重なる外交に疲れていた。最後の外交の現場となるドラゴンエンパイア帝国の豪奢な建物の一室で気だるそうにソファへもたれる。ただの外交であればよいが、普段プラントゲートの外に出ないがー収めた戦や戦略は数しれず、かつ、端麗な容姿も相まって、注目の的であった。是非ともうちの国家へとヘッドハンティングするもの、はたまた、是非うちの子供と一席どうかというお見合いまで。まだ誰のものにも、世話になるつもりもないザクサはそのような出来事がある度、心の中では唾を吐いた。残るは宴会の席。夕暮れ時のドラゴンエンパイアの空は橙よりも葡萄のような空が大部分をしめてきた。夜になれば体が昼より動きやすくなってくる。「ブラントゲートの使者」として、最後のお勤めを果たさなければならない。ドラゴンエンパイアの地の暑さからくる額の汗を手で拭って、起き上がると扉を叩く音が聞こえた。
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