愛のかたち「レオナさーん、朝ッスよ。ほら、早く起きてくださいよ〜」
聞こえた声に耳がピクリと反応した。閉じたまぶた越しに朝の光が差し込み、脳がじわりと目覚めていくのを感じた。ゆっくりと目を開ければ朝日に照らされた部屋が視界に入る。見慣れた、いつも通りの光景だ。
朝は苦手だが学生として起きないわけにはいかない。重たい身体を持ち上げて、くありと欠伸をこぼす。
そしてふと、見慣れた光景の中に、あるはずのない存在を認めた。
「あれ? レオナさん、今日はやけにお目覚めが早いッスね」
「……お前、誰だ? どうしてここにいる」
「はぁ、寝ぼけてるんスか? いや、待てよ。すんなり起きれたし、もしかして変な魔法薬でも飲んだんじゃ」
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