龍神様といっしょ 成長「みて!神さま!またちがう花さいてる!」
「それはひまわりだ、リオセスリ」
「きのうのは、あさがおだった!」
「そうだ、よくおぼえていたな」
リオセスリを拾ってからそれなりに時間が経った。
蝉がじわじわ鳴き、白い日差しが庭石を焼く。暑さは好かないが、庭を駆け回るこの子を眺めていると、不思議と胸が満たされた。
あれから、この子は良く笑うようになった。同じようによく泣くところは変わらないが、優しく抱いてやれば嬉しそうに顔を寄せるので泣いても笑っても可愛くて仕方がない。
まあ、子どもとはそういうものだろう。
賢いこの子は読み書きを教えるとすっかり覚えてしまって、簡単な本なら自分で読めるようになった。それでも私に読んでほしいと本を持ってくる。そういうところも愛らしいのだが。
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