愛に溺れる ここ数日、体調が悪い。いつもなら寝てれば治るのに、何故か今回は治らずに体調不良が続いている。高熱があったり腹や頭が痛いとか分かりやすい症状はない。ベッドから起きられないとかそこまでやばいレベルではないけど、ずっと起きてるのはちょっときつくて。
季節の変わり目でもないし、寝不足が限界をこえたわけでもないからなんでだろうって思ったけど、体調を崩した心当たりは……正直、ある。けど、確信を得てからじゃないと話せない。割とデリケートなやつだから。
「春日、一度詳しく診てもらわないか」
「そうですよ、春日。何かあってからでは遅いんですから」
「大丈夫だって言ってるじゃん」
何か食べないと。吐いてもいいから、と朝食を持ってきた大河の後ろには誓も居た。何とも言えない表情で覗いている。大河は小さなトレーを持っていて、胃に優しいお粥と冷えた水がのっていた。本来なら食欲をそそるであろう白い湯気は今の俺には少し毒だった。
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