静テロげんみ× 絵じゃない
ーーあの時手を取っていれば。或いは、私の作品のかたちが違っていれば。
若い衝動のままに傷つけ、拒んだ過去は変わったろうか。
「……詮無きことだ」
赤ワインを一口飲み、美術家は笑った。
やはり、彼の選んだワインの方が旨かったのだ。
だとしても。
彼が選んだのは私でーーならば私も、私の選んだワインを飲み干したかった。
アトリエに唯一飾られた絵画が、静かに夜を泳いでいた。

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