ぐだ男は天草四郎のために世界を救いたい 昼も夜もないような閉塞的空間なれど、正真正銘生身の人間であるマスターの起床時間と就寝時間は何となく決まっていた。
サーヴァントは原則的に休息を必要としないうえ、Dr.ロマン含めた技術者達は少人数で入れ替わり立ち替わりという体制をとっているので本当に俺に限っての話ではあるが。
「貴方がこの時間に起きているのは珍しいですね」
サーヴァント達の間でも時間の認識はされているようで、食堂で偶々顔を合わせた天草四郎はこちらを物珍しげな目で見ている。
「昼寝しちゃったから眠くないんだ。天草も、食堂に用があるなんて珍しいね」
そう指摘すると彼は少し恥ずかしそうに微笑んだ。
「最近コーヒーの淹れ方を覚えまして。とは言っても機械を操作するだけなのですが」
11292