伝記の傍観者アーカーシャ
彼はとある世界の目撃者であり傍観者だった。
彼が存在し、実際に観てきたその世界は後に「黎明の地」と名を付けられ数多の種族が歴史を紡いでは消えていった。アーカーシャはその黎明の地で人として生きて人として死に、現在は神へと成り上がった。
傍観者であるアーカーシャは黎明の地で起こった第二次戦争を見届け深くため息をついた。
「コレがお前の観たかった物語なのか」
「生きとし生けるもの、皆が皆同じ思想で生きているわけではありません。対立は避けられぬもの、あなたもよくご存じでしょう?」
アーカーシャは自身の周りを呑気に飛び回る2枚の異なる翼を持つ少女―星夢に問うた。
不機嫌なアーカーシャに対して彼女はとても喜びに満ちた満足そうな顔でいた。
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