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    Sakupanda4Lest

    ぱんだです

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    Sakupanda4Lest

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    作中登場する曲はバルーンさんの「ノマド」です。

    ふと、音楽が聞こえた。それは綺麗なヴィブラフォンの音。

    その音色に、心を打たれてしまった。

    ああ、この音に、わたしの想いを乗せてみたい。

    そう思ってしまうほど。

    口を開く。

     途方もない時間だけ
     また過ぎていく
     此処は理想郷ではない
     ましてや描いた未来じゃない

     終わりのない未来など
     なんて下らない
     夢の隙間に問う
     私は何処へと行くの

     遠い遠い先の方へ
     痛みと歩いていた
     騒がしい街の声が頭に響く

     夢の底でもがくのなら
     この夜をいっそ喰らってしまいたい
     呆れる程に傍にいて
     愚かでいい 二度とない
     今を生きていたいだけ
     それだけだ

    ……ハッとした。いつの間にか歌ってしまっていたようだ。
    ヴィブラフォンを奏でる彼女は驚いたようにこちらに近づいてきた。
    「あなた…お歌が上手なのね!!」
    「あ……ありがとうございます。そう言っていただけて光栄です。」
    見ただけではどんな宝石か分からない。わたしは硬度の高い宝石に詳しくないから。
    「私はメリア!あなたは?」
    「…フィオリトゥーラと申します。長いのでフィオとでもお呼びください。」
    「綺麗だね!」
    自分の目を見てハッキリとそう告げられた。
    「え」
    「名前も、割れてしまっているけれどその宝石も!」
    「これ…は」
    ニコニコと彼女は笑う。
    「ねぇフィオさん、また私がここに来たら一緒に歌おうよ!」
    「え、えぇ構いませんが……わたしも次メリアさんが来た時にここにいるかは分からないですよ?」
    「また、きっと会えるよ!!」
    「……そうですね。また会えますよね。」
    「あ!メリアそろそろ帰らなきゃ!!またね!!フィオさん!!」
    「えぇまた会いましょう!メリアさん!!宝石狩りにお気をつけて!!」
    「はーい!!」

    「……嵐のような方だったな。」
    1人のアメシストは満月の夜にキラキラと笑った。
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