あーーもう何だっつうんだよ!最近寝ても醒めても
どこかのチャンピオンの顔がチラついて離れねえ
確かに最近決闘挑みに行ってねえけど
別に会いたいとかそんな事考えてないんだからな!!
モヤモヤしながらエンバー・アリーナをうろついて
いると こんな時に限って見覚えのありすぎる
赤いマフラーが見えるじゃねえか
いつかの細いモヤシみてえな男と一緒のようだ
ここはさっさと退散するに限るぜ(不服ではある)
「よぉ ベッカムじゃないか 久しぶりだな」
「ベルラムだ!」
なんでそっちから話しかけてくるんだよ
帰り辛くなっただろうが
「最近見ないから心配してたんだ 元気そうで
よかった」
「俺にだって都合ってもんがあるんだよ」
「あんたが来ないと調子が出ないんでな
いつでも待ってるぜ ベンジャミン」
「ベルラムだ!!」
こいつ俺の名前覚える気絶対無いだろ
ん…?『心配してた?』『調子が出ない??』
『いつでも待ってる???』
トゥンク……♡(ときめき音)
「ぷっ……」
誰だ今笑った奴!?ライトの連れか?
「君たち面白いね 漫才コンビでも組んだら?」
「「絶対に嫌だ」」
俺とライトの返事が同時に響いた
「ああん!?俺様の相方に不満があるってのか?」
「俺に勝てたら組んでやってもいいぜ?」
「上等だゴルァ!表出ろやァ!!」
「プロキシちょいと野暮用だ すぐ終わらせてくる」
——勝負は一発で終わった
地面に延びた俺にライトが手を差し伸べる
おキレイな顔には傷ひとつ無い
「やっぱりあんたじゃないと調子出ないな」
「……は!?」
「いいサンドバッグだ って話さ」
「テメェこの野郎!」
「また来てくれよ ベイジング」
「ベルラムだっつーの!!!」
やっぱりこいつなんか大ッッッ嫌いだ!!!
「……楽しそうだね ライトさん」
「わかるか?」
「ちょっと妬けちゃうな」
「おいおい 途中で独りにしたのは悪かったが
優先順位はあんたが上だぜ?」
「二人でM1狙いなよ 応援するよ?」
「……勘弁してくれ」