二話 低空飛行の心 昼休み、クラスメイトは他クラスや購買、食堂に行くため人はまばらになっていた。
自分も購買で適当にパンを買いに行こうと席を立った時
「青山さん」
と声をかけられた。
視線を向けると、朝に声をかけてくれた二人の女子がいた。彼女たちは心配そうに
「朝、大丈夫だった? 突然走り出したりしたから少し心配で、何か言いにくいこととか嫌なことがあったのかなって」
と一人がいい、隣にいるもう一人は黙ってうなずいていた。
「あ、うん。大丈夫……です。突然走り出してごめんなさい。ちょっと、急用を思い出しちゃって」
苦笑いをしながら浅い嘘をつく。我ながらもう少しマシな嘘を吐けなかったのだろうか。
「そっか。何もないならよかった」
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