自由研究 自由研究
向日葵のカーテンの掛かった部屋。
あの夏、八月の第四土曜日から数えて一週間の間。
僕と島崎はそこに閉じ込められていた。
島崎とは腐れ縁と言おうか、ある事件をきっかけに距離が近づいた。
神出鬼没の男だ。僕と同様に超能力者で、相手の動きを先読みする能力と、瞬間移動、即ちテレポートの能力の二つを有している。
長らく顔を合わせれば拳を交わす間柄だったのだけど、これもある事件をきっかけに、一時休戦協定を結ぶことになり、それ以降、微妙な距離感で付き合いが続いている。
出会って一年目、つまり僕が中学三年生の夏、奴がある提案をしてきたことをきっかけに、僕は身動きのとれない汚泥の中に自ら足を踏み入れることになってしまう。
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