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    nana

    @nana7hataraku

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    inaeta108

    MAIKINGはらがへっては(仮)2その日も実に暇だった。

    無論やることは山ほどある。訓練とか訓練とか訓練とか。ただ、ウイルスだとか厄介な細菌だとかそういった類の外敵の侵入がないのだ。そうすると、訓練に力が入りすぎるのは必然だ。何しろ日々戦う免疫細胞最強にして最後の砦のパワーが、エネルギーが、闘争心が有り余っているのだ。それらがついうっかりと溢れて、司令室の窓ガラス破壊を引き起こした。1ヶ月ぶり10回目。ファンファーレが鳴ってもおかしくない記念すべき回数に、実のところ優雅でも温厚でもなんでもないヘルパーT司令の怒りが爆発した。
    普段であれば、外敵の侵入に備えると言う存在意義からつっぱねることもできただろう。だが、ここ最近「暇」なのは全ての免疫細胞が全身で実感しているところなのだ。今日の訓練は副班長くんに任せればいいよ。だからどれだけ時間がかかっても!ひとりで!終わらせて!!上司は無慈悲にも眼鏡を光らせて言い放った。全身から怒りのオーラが立ち昇っている。そういうわけでキラーT細胞咽頭班班長は懲罰として司令室の片付けを仰せつかったのである。

    結論から言えば片付けはなんとか終わった。キラーTの心と身体に多大なダメージを負わ 4198

    inaeta108

    MAIKINGたりないふたり3流石に疲れた。
    キラーTは深く深く息を吐いた。

    気付かぬうちに勢力を拡大していたがん細胞を発見、殲滅までをやり遂げたのだ。無理もない。
    傷の手当て、部下の激励、上官への口頭報告。帰還後の一通りの任務を完了させたキラーTは今日のことを振り返っていた。早急に報告書をまとめなければならない。

    まずは一日の始まりからだ。
    近頃はウイルスもすっかり鳴りを潜めている。だから毎日は訓練と訓練と訓練で埋め尽くされていた。長期にわたるインフルエンザの襲来に苦しめられていたあの時とは大違いだ。そう。へなちょこナイーブが好中球に世話になったあの時。あいつも今では筋骨隆々、期待のエフェクターT細胞として訓練に励んでいる。だから、少しばかり礼でも言おうかと思っていたのだ。
    巡回終わりにリンパ管の近くで偶然その姿を見つけたから声をかけた。感染細胞を被害を広げる事なく駆除する、いつも通りの素早く確実な動き。部下をわざわざ先に帰還させたのは、付き合わせて訓練の機会を逃すのはよくないと思ったからだ。久々にゆっくり話したかったからとかそんなんじゃない。断じて。
    だが、NK細胞の乱入と、そこから始まる騒動のおかげでゆっ 9178