「キミ、かわいいね。……おいで。ボクと友だちになってよ」
「完全な記憶喪失だ……。バランの竜の紋章との共鳴によって、ダイの意識は吹き飛ばされ記憶も白紙に戻されてしまったのだ」
「そんな…………!」
「ほう。確かにかわいらしいな。どれ、私にも挨拶をさせてもらえるかな」
「うん、いいよ。ねえキミ、今度はおじさんが友だちになってほしいんだって!」
「………………で? あっちは一体全体どうなってんの?」
「…………おそらくダイが抵抗したか紋章の共鳴が生み出すエネルギーが予想より大きすぎたか何かでバランの記憶まで吹き飛んでしまったのではないかと……まあ結果的にバランの追撃は避けられたわけだ。よかったな」
「アハハーッほんとだよかったよかった……ってんなわけねーーだろ!! こちとらダイだけでもいっぱいいっぱいだってのになんで魔王軍の軍団長の面倒まで見なきゃいけねーんだよ!?」
「あのお兄ちゃん大きい声出してこわいよう……」
「うむ……少年、少し声量を落としてもらえるか。驚いて心臓が止まりそうになる」
「うるせえ!!!!!!」