【ごくパ展示】恋愛指南「好きな相手にどう接すればいいか、かね」
ガンガディアは眼鏡を押し上げて目の前のヒュンケルを見下ろした。ヒュンケルは真剣に面持ちで頷く。あの小さかったヒュンケルがそんな悩みを口にするほどに成長したとは感動を覚える。
「そういう相談ならガンガディアに、と父さんが」
言ってヒュンケルはちらりとマトリフを見た。マトリフは我関せずという風に本を読んでいる。ガンガディアとマトリフがパートナーであることは皆が知っていることだった。
「私で良ければ相談に乗ろう」
「よろしく頼む」
「好きな相手にどう接すれば良いか、だったな。もちろん一概に言えることではない。ひとは様々だ」
ガンガディアは当たり障りがないことを言いながら思考を巡らせる。相談に乗ると言ったものの、恋愛は得意な事柄ではなかった。マトリフとパートナーになったが、彼以外に恋愛感情を持ったことすらない。
3221