幕間 類くんどこー?とえむが呼んでいる。その傍らには寧々。
「えむ、一度セカイから出ない? 飲み物買いたいし」
類と司が見当たらなくて、えむは眉をハの字に下げたしょんぼり顔を寧々に向けた。
「うーん、でも」
「あいつらの分も買ってきてあげよう。たまには、ね」
「ん~~……そうだね!」
「じゃあ行こう、えむ。ホント体がバラバラになりそう……」
えむと寧々の話す声は聞こえなくなった。えむたちからは死角になった大きなテントの影に、類と司は居た。当然えむが類たちを呼ぶ声が聞こえなかったわけはない。出ていけない理由が二人にはあった。
「おい、二人とも行ってしまったではないか」
「悪いことをしてしまったね」
「……思ってもいないことを」
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