10/27新刊チラ見せ進捗＊プロローグ＊

　ザザン……ザザン……。
　逢魔時、島の空は夕闇に包まれた。
　わずかな夕陽の残影を映すばかりの暗い海の波打ち際に向かって、吸い寄せられるように歩みを進めた。草履を脱いで、冷たく湿った砂浜に足跡を残す。
　パチャ……チャプ、チャプ……。ザザン……ザザン……。
　寄せては消える波が、素足を砂ごと浚っては戻っていった。砂だけが海に連れられて、俺の生白い足は浜辺に沈んだまま、動かない。立っているだけの水死体だな、と自嘲するのは何度目だろうか。
　そんな俺を、ミャァーオ、マーオ、と頭上のウミネコが寄ってたかって笑いものにした。睨み返す気力もなく、ただ廃棄されて役目を失った澪標のように立ち尽くす俺の肩に、一羽のカモメが留まった。

【凪洁】Another world　　“嗯，早上好？”

　　凪习惯性地翻身，没有摸到冷冰冰的被褥，掌心下是恋人温热的躯体，他还很困迷迷糊糊地和对方问好，奇怪地想着洁今天早晨居然起得这么晚。

　　“早安，诚士郎。”

　　“诚…为什么叫名字？”

　　凪有点清醒了，从确定交往以来，他和洁的称呼还是保持原样，只称姓氏，因为同是单字很好读，不过被叫名字的感觉也挺不错的，他还是乖乖地凑过去。

　　“恋人之间当然要以名字相称啦。”

　　“那我也可以叫你世一吗？”

　　“嗯，请你务必这样叫我。”

　　“……世一，唔。”

　　凪没想到今早的洁除了起得迟，还很愿意与他主动亲近，洁的手慢慢摸着他后脑乱翘的头发，让凪很快又能再进入一场回笼觉。

　　“真可爱呀。”

　　“…是说我吗？”