道ぐだ「麻痺」※流血表現注意
ざしゅっ
叩きつけられるような強い衝撃にぐらりと体が前に傾ぐ。
一瞬遅れて焼きつけられたような熱い痛みが背中を襲った。
想定外に多く強い魔獣の群れの中から一匹、サーヴァント達の包囲網をすり抜けて猛突進してきたのだ。
ガンドで動きを止めれば良かったのに、魔力不足を起こし始めていた頭は何を思ったか避けようとした。
結果がこの態だった。
間髪入れず襲いかかってきた魔獣に今度こそガンドを叩き込もうとした刹那、横から飛んできた何かが魔獣を八つ裂きにする。
「ありがと、道満」
はらり、と落ちた紙片を見なくてもわかるその戦い方に立香はいつの間にか横にいたサーヴァントを見上げて礼を言った。
「いえ、お守りできず申し訳ございませぬ」
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