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    秘みつ。

    @himi210

    @himi210 小説 / 毎日更新12:00〜21:00 / 凪茨右茨ジひジ▼感想質問お気軽に📩 http://bit.ly/3zs7fJw##ポイピクonly はpixiv未掲載ポイピク掲載のみの作品▼R18=18歳以下閲覧禁止▼##全年齢 for all ages▼連載一覧http://hi.mi210.com/ser▼連載後はpixivにまとめ掲載http://pixiv.me/mi2maru▼注意http://hi.mi210.com/guide▼フォロ限についてhttps://poipiku.com/19457/8988325.html

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    1294凪茨全年齢▼DomSub凪茨。両想いになったけれど失敗したくない茨が我慢してSubDropに落ちてしまう話。

    全体公開しました

    リクhttp://hi.mi210.com/718_24
    連載一覧http://hi.mi210.com/ser

    ##全年齢
    ##凪茨

    おしえてきみの好きなことおしえてきみの好きなこと

     閣下が俺のDomになってくれた。ほんとうのDom。契約じゃない、好きって感情の、DomSub主従関係
    「……ふふ」
     俺は朝食の味噌汁を作りながら、柄にもなくわらってしまった。
     ずっと好きだった閣下が、俺を好きだという事実。それだけで――ふわふわと幸せになる。閣下は俺が好き、閣下は俺が、好き。
    「……おはよう、茨」
    「おはようございます、閣下。もうすぐできますのでお席にお座りになっていてくださいね」
    「……うん、ありがとう、茨」
    「いえいえ!」
     俺は火を止めて椀に味噌汁をよそった。ご飯を盛って、おひたしを小鉢に……。
     ――こんなにしあわせでいいのだろうか?
    「……」
     俺は、いつもいつも大事な大場面で詰めが甘い。閣下にも云われている。そう――気を抜くと、それは失敗になる。
     今回――うまくいきすぎている。俺は閣下が好き、閣下は俺が好き、Playは最高、Sub欲も満たされて充足している……。
     これは失敗するフラグだ。
     だから――気を付けなくてはいけない。あんまり、甘えたりPlayをねだったりするのは、控えたほうがいいのではないか。調子に乗って浮かれていると、最悪の展開になるのは目に見えている。俺は――この幸せを、壊したくはない。
    「……茨? 手伝おうか」
    「い、いえ。大丈夫であります。いまお出しいたしますね」
    「……うん」
     俺はテーブルに膳を出して、自分の分も置いた。そうしたら――閣下が手を開いてにこにこ立っていた。
    「……抱きしめていい?」
    「……っ」
     朝からそんな幸せなことをしていいのだろうか。俺はその胸に飛び込み――たかった。だけれど、でも。
    「だ、誰かに見られたら、その……っ、なので、お、お控えください!」
    「……? ……わかった。茨は恥ずかし屋さんだね」
     閣下はそろそろと椅子に座った。
     舞い上がっていてはいけない。今は幸せの絶頂だから――警戒しないといけない。あんまりはしゃいで、閣下に呆れられて捨てられたら――死んでしまうと、そう思った。

     ***

     それからも俺は閣下からの愛撫を避けて、我慢して過ごした。閣下って、こんなに愛情表現をしてくれる人だったんだな、と、もだもだする。全部ほしい、全部に応えたい。でも――そんなにはしゃいだら、きっと最悪がある。我慢。我慢して、この関係をずっと続ける。そのほうがいいに決まっている。
    「凪砂くん、ぎゅうぎゅう!」
    「……日和くん、ぎゅ」
     共用スペースで休憩を取っていたところに殿下がやってきた。俺は紅茶を運び、お二方の戯れをシンクに食器を置きながら遠くから眺める。ほんとうに仲がいいなと思う。朝我慢した、抱きしめられるその温かさを、見ていて感じるほどだ。
     俺も――ああいうふうにされるのを望んでいるのだろうか。その場所は俺だと、なんだかいってしまいそうになってくちを抑えた。閣下は――殿下より俺を、好いている、はずだ。だから――だから俺のDomになってくれた。Switchの殿下を選ばずに、俺を選んでくれた。だから……。
    「……日和くん、Good boyいい子
    「ふふ、凪砂くんだけのSubになってあげてもいいね♪」
    「……うん……そうだね――」
     俺はそこまで聞いて、さっと体の中心が冷えるのを感じた。
     閣下のSubは俺なのに、でも、だけれど――。
    「……っ」
     ほんとうは、誰でもいいのかもしれない。
     嫉妬なんて、醜い。ばれたら――呆れられる。
     俺は意識が遠い宇宙に引き延ばされていくような感覚に襲われた。息が苦しくなって――立っていられない。
     重い体を引きずって、俺は隠れられる場所に――逃げた。

     ***
     
    「……うん……そうだね。……でもね、私のSubは、茨だから」
    「え! ちゃんと告白できたの?」
    「……そう。私たち、両思いだよ。ねえ、茨――」
     私は顔を上げて茨を見ようとした。だけれどそこに茨はいない。
    「……茨?」
    「あれ、どうしたんだろうね、見当たらないね」
    「……ごめんね、日和くん、ちょっと探してくる」
     私はなんだか嫌な予感がして、茨を探した。

     ***

     トイレや副所長室にもいなくて、あとは――仮眠室。その薄暗い部屋に入れば、隅っこの方に――うずくまる薔薇色。
    「……茨?」
    「……っ、は、……かっか……」
    「……SubDrop喪失状態になってる、茨、Look見て
    「……っ」
     茨は張り詰めた顔でいやいやと顔を振った。Command命令を拒否すればまた深いSubDrop喪失状態に落ちてしまう。それなのに――茨は震えながら私を拒否する。
    「……茨、いいこだから、ね、どうしたの、Sayいって
     茨は苦しそうに息を吐いて、それから、ちいさく泣きそうに云った。
    「お、おれじゃなくても……かっかは……」
    「……私は茨がいい。茨をたくさん甘えさせたい」
    「かっかに、呆れ、られる……捨てられる……から……失敗、する、から……」
     それだけでわかった。両想いになってから、茨が触れ合いを我慢していた。その理由。
    「……私とのPlay触れ合いを避けていたの、そういうことなんだ」
    「……っ」
     私は茨を引き寄せて抱きしめた。その背を撫でる。耳元で囁く。
    「……大丈夫だよ。茨。たくさん愛し合おう。私は茨が大好きだよ。茨しかいない、茨が一番だよ。日和くんとじゃれてたら不安になっちゃうくらい、茨は私が好きなんだね。嬉しい。ごめんね、Sub Drop不安にさせて。息を吐いて、私はきみの、きみだけのDomだから」
    「は、は……っ」 
     茨の心音が聞こえる。息がだんだん落ち着いてきた。そうして、茨は弱弱しく――私の背に手を縋らせてくれた。
    「……私のGood boyいい子。ちゃんと云えて偉いね。大好きだよ。Say返事して
    「あ……閣下……、おれ、も……」
    「……うん、Good boyいい子。云うこと聞けて、偉いね」
    「……っ」
     互いの熱が混ざり合う。茨の顔を覗けば、ふわふわとSub space恍惚状態に入っていた。よかった。
     失敗すると不安になる、おねだりを我慢する茨を、きっと的確にCareあやしてあげないといけない。そうして、いつか自然に甘えてくれたらいい。だって私は茨のDomだ、たった一人の、大好きなSubの。
     大丈夫だよ、と伝えるように、私は茨を抱きしめ、その背を撫で続けた。

    Request
    凪茨の日リクエスト企画ありがとうございます…!!DomSubが好きです。茨がsubDropする凪茨が見たいです。えっちありでもなしでも構いません。sub Drop のシチュエーションは何でも Playを蔑ろにして後回ししすぎた茨でも お仕置きプレイの程度を見誤る凪砂でも 最終的にちゃんとsub space で安心してくれれば…
    宜しくお願いいたします!

    (240918)
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