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    秘みつ。

    @himi210

    @himi210 小説 / 毎日更新12:00〜21:00 / 凪茨右茨ジひジ▼感想質問お気軽に📩 http://bit.ly/3zs7fJw##ポイピクonly はpixiv未掲載ポイピク掲載のみの作品▼R18=18歳以下閲覧禁止▼##全年齢 for all ages▼連載一覧http://hi.mi210.com/ser▼連載後はpixivにまとめ掲載http://pixiv.me/mi2maru▼注意http://hi.mi210.com/guide▼フォロ限についてhttps://poipiku.com/19457/8988325.html

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    ジュンひよ▼家庭を持った日和と結婚しないジュン※モブ赤ちゃんが出ています

    ##ジュンひよ
    ##全年齢

    嘘の味

    「いい写真ですね。幸せを噛み締めてるって、笑い方」
    「うんうん、そうだね!」
     内祝いの家族写真がデジタルフォトフレームを流れていく。
    「ジュンくんは結婚しないの?」
     出産祝いの体重ベアをベビーベッドに飾って、僕はジュンくんに尋ねる。優しい顔で、赤ちゃんを見つめる太陽の色。ジュンくんの抱っこが上手いから、娘はメリーを聴きながらすやすやと寝てしまった。
    「……オレ、好きな人いるんすよねぇ」
     聞きたくなかった、けれどずっと待っていた台詞が、ぽつりと浮かんだ。
    「だれだれ? 僕の知ってる人?」
    「よく知らないんじゃないすかね、おひいさんは」
     困った顔で笑うから、切なくなってしまう。
    「……じゃあ早く付き合って、結婚するといいね! スピーチしてあげるからね! ジュンくんもしてくれたからね!」
    「おひいさんこえでけえ。起きちまいますよぉ」 
     ジュンくんは娘を撫でて、ベビーベッドから離れる。ベランダに出て、風に当たる。陽の光がやさしかった。
    「結婚しちまったからさぁ。もう人のものなんすよね」
    「……そうなんだ」
     はやく、ジュンくんも、誰かのものになったらいいのに。そうしたら、全て終わる。そうしないと、意味が、ない。
    「ジュンくんは、その、子のこと、好きなの? ずっと? ……大好きなの? いつから?」
    「出会った時から好きですよ」
     むねがくるしい。
     ジュンくんの優しい目が、誰かを見ている。
    「ずっとずっと、好きです。多分、死ぬまで」
     そう云ってジュンくんは遠くを見た。もどかしかった。決めたことなのに、つらくて、くるしい。
    「実らない恋は捨てて、さっさと享受できる愛をした方がいいね。ジュンくん、そんな生き方、苦しいだけだね……」
     泣きそうだった。のどがかわく。頭がいっぱいになって、切なかった。
    「そんなんじゃ、僕が、結婚した、意味がない……」
    「……オレのために結婚したっていうんですか」
    「……」
     僕が結婚して、誰かと一緒になったら。
    「だって、僕がいたら、ジュンくんずっと、僕のそばから離れないでしょ?」
     赤ちゃんが生まれたら。
    「僕から解放してあげたくて」
     ジュンくんは自由になるんだって、思った。
    「オレは」
     きらきら輝くジュンくんの太陽が、にごる。にごって、鋭く、僕を刺す。
    「オレは一生、あんたのものだ。オレが愛せるのはあんただけ、おひいさん。あんたは、わかってないよ、何にも。自分のこともわかってない。幸せだねって云って、なんでそんな苦しそうな顔するんですか。オレは、あんたの幸せを願ってる。ずっとずっと、死ぬまで。――だからオレは結婚しない、出来ないよ、そんな嘘」
     ひどい顔をしている、多分、僕も。――何を言えばいいかわからない。どこから間違ったのかも、なにも、わからない。
    「……僕だって、ジュンくんが、幸せになって、欲しくて、……」
    「オレは幸せにならない。あんたのせいで。だから一生、その傷を負って、オレのこと考えて。それなら、ずっとあんたの中にオレは居られる」
    「……ジュンくん……」
     酷い仕打ちだ。けれど、もっともっと、酷いことを最初にしたのは、僕。これは罰。ジュンくんのことも、自分のことも、何も理解していなかった、僕への、罰。
     かれの匂い。
     触れるだけのキス。
    「おひいさん……」
     噛み締めているのは何なのか。
     太陽が陰る。メリーの音が、止まった。

    (201211)
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    DOODLE他的狂笑尖锐刺耳,七种茨不怒反笑,他牵起唇角,笑容像是在热情四溢地介绍一个项目,“在临死之前,请允许鄙人提一个问题,诸位知道,body这个单词,除了‘身体’的意思以外,其实还有‘尸体’的意思吗?”

    头目被他问得不明所以,但下一秒七种茨的双手均弹射出五节细长的枪杆,他背着光,就像是野猫危险的爪刃。

    这次换他疯狂的笑声响彻整个停车场,“摇滚身体吧!Everybody!”
    【纯日和&凪茨】赛博朋克2077——衰败乐园006利刃巴氏的义体很贵,属于是义体界的爱马仕。

    涟纯从十三岁起就知道了这个常识,但他从没奢想过自己也能装上巴氏的义体。

    所以在七种茨对他说“您的体能已经达标,可以安装新的义体”时,涟纯的大脑是一片空白的。

    宽敞的样品室里,亮得要死的白光不要钱似的地打在琳琅满目的义体上,颜色各异的精美机械脊椎被固定在透明箱中,有巴氏义体的负责人为他做着专门的讲解,“涟先生,我们检查了您现在所配备的所有义体,其中脊椎的部分最为薄弱,我们建议您更换一条。这几款都是巴家的最新款,日和少爷说了,您可以随意挑选。当然,无论是义体还是手术的费用都是免费的。”

    涟纯像是每一个被天上掉下的馅饼砸中的人一样,睁大眼有些不知所措。负责人热切地询问着他想要哪款型号,他却突然回忆起身上这根脊椎的来历。
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