名残り目が覚めると目の前に誰かの頭があり一瞬驚いた。
しかしすぐに昨夜のことを思い出して腕の中で眠っている人物の身体を抱きしめる。
(そうだ、昨日やっとアーノルドと最後まで愛し合えたんだ)
アーノルドの存在に心惹かれて告白をし、交際まで漕ぎつけるのに半年、そして体を繋げるまで三ヶ月掛かった。
抱きしめ合い、キスをして、互いの温もりを分かち合い熱を散らすことは出来ても一般的な性行為となれば、受け入れる側の負担を考えると躊躇いが生じるのは当然で、私たちの場合それはアーノルドの立ち位置になり、彼に肉体的負担を掛けるくらいなら別に無理に体を繋げることはせず、今のままでもいいと言った私にアーノルドは切なそうに笑いながら、『愛する人と一つになりたい、この体でもアルを受け止めることが出来ると証明したい』と言って自分の意思で私を受け入れてくれた。
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