あいしてるのひ ふと目覚めると隣にいるはずの日和がいなかった。ベットに温もりも残っていない。随分前に起きたのだろうか。
昨晩、「日付が変わったね、楓誕生日おめでとう」「今日は楓の好きに抱いていいよ」なんて言うからいつもより激しく日和を貪った。荒々しく抱いた翌日は日和はぐったりと眠りに落ちているはずなのに、今日はどうしたのかと思案していると、鼻を甘い匂いが掠めた。
キッチンへ向かうとエプロン姿で鼻歌混じりにスポンジケーキをケーキクーラーへと乗せている日和がいた。
「楓、おはよう」
顔を出した俺に気づいた日和が笑顔を向ける。
「はよ。今日は起きるの早いな」
「楓の誕生日だからね」
そう言ってたまねぎやじゃがいも、にんじんなんかを取り出して新たな料理の準備を始める。
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