死んでも、なんて──ぱちん、とスイッチが弾かれた音がした。
閉じた瞼にすら眩しい光が届き、薄闇に覆われた視界が明るくなる。
「センター長さん、そんなところで寝てたら風邪ひいちゃいますよ?」
ぼんやりとした頭を持ち上げると、いつものテーブルの上には散乱した資料と、つけたままのパソコン。見られて困るものは開いていないようだ。
「……すみません。資料のまとめをしていたら、つい」
軽くため息をつきながら、車椅子の背もたれに寄りかかると『ギッ』と不快な音を立てる。眩しくなった所内の明るさに目を細め、上半身を伸ばすと身体の節々が痛むのを感じた。
そういえば、何日ここに籠っていたのだろうか。もう長いこと外の景色を見ていない気がする。
ノートパソコンを閉じると、表のパネルが目に入る。調査員であるあざみとジャスミンが、調査先のお土産とどこから見つけてるくる各地のステッカーがベタベタと貼ってあった。微笑ましく思うと同時に、意識していなかった疲労感に襲われる。
1978