補佐普段でさえ戦闘団の指揮をしながらの戦闘など無茶でしかないことを当たり前のように実践する小さな上官も、不眠不休で、おまけに他からの増援も望めない状態で寄せ集めの師団規模魔導部隊の指揮はさすがに無理がたたっている。
吸血鬼のようだとも噂される白磁の肌もさすがに白を通り過ぎてくすんでいるように見える。気が付けば栄養補給の時間が過ぎていた。いつもシビアなほど時間管理に気を使っている中佐殿だが、さすがにそこまで気が回らなかったらしい。
「中佐殿、既定の時刻です」
「規定?」
すっと近寄って囁く。
「……航空増加食を」
魔導師はとかく大喰らいである。行動するにも思考するにもカロリー補給が大事だというのに、この方はさらに先陣を切って敵に飛び込むのだ。なおのこと消耗してしまう。
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