通り過ぎていく光の影を目で追いながら、時折目を休めるようにゆっくりと瞬きをする。

何かが視界に入る。どこの駅で入ってきたのだろうか、親指の爪にも満たない大きさの、小さな蛾が電車の天井の蛍光灯にぶつかっているのが見えた。

暇だ、そう思った。

私は今実家に帰るための電車に揺られている。いつもなら音楽を聞いて時間を潰すのだが、なんとなくカバンから音楽プレイヤーを取り出すのも億劫で窓の外を眺めて過ごしていた。
外はもう真っ暗闇だから車内の風景が鏡のように窓に映し出されている。離れて座っている男性の姿が視界に入り、無意識に目がそちらに行く。
ぱちり、と目があった気がした。
互いに視線を逸らす。

窓に視線を戻すと男性は下を向いてスマホをいじっていた。観察しているわけではないが、窓の外を眺めようとするとどうしても男性の姿が目に入ってしまう。

【波枝】甜蜜的痛楚*边缘性行为/异物/宫交/入门级dirty talk
*猎魔人×半魅魔这样的爱情喜剧(喜剧含量有待考量)

"抱歉，银枝，咱们的烛光晚餐大概得推迟一小会儿，我遇到点小麻烦，你不用担心，我保证会在二十分钟后会出现在家门口。"来不及检查语音输入是否有错字，炸弹引爆燃起的火舌和热流差点追上从二楼一跃而下的波提欧，疾驰而来的二手载货汽车闪进街角，稳稳当当将跌落的人接进货厢后留下四条黑色轮胎印扬长而去。

波提欧仰躺在轻微摇晃的车里剧烈喘着气，没跟着二楼玻璃一起摔个稀碎的手机屏到底还是出现了几条裂缝，聊天框叮咚一声消息提示音，他抹了把脸，银枝发来关心的问候，还好他没像上次一样手滑发了语音出去，否则踩着最后一个字的爆炸声，可不方便再用儿科诊所的设备被小孩撞倒这种借口来解释。