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    itokiri

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    itokiri

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    バニーの日のイデ監。
    自分にうさ耳うさ尻尾が生えて解釈違いに苦しみながらも、🌸にこねくり回されて股間大盛り上がりさせてしまう、発情期のウサイデです。

    ##イデ監

    治験済みなのでご安心くだされ 可愛い彼女がウサギの耳と尻尾が生えてしまう可愛いトラブルに巻き込まれる。なんていうご都合主義の権化みたいなこと起きないかな〜なんて天井を見上げながら、それを想像しフヒフヒ気味の悪い笑みを溢し、自分のイマジネーションの力が恐ろしくなるほど高解像度で脳内に浮かばせ、変な気を起こし、いたって健全な行動を取ってしまったことでご本人様に申し訳のない感情を持ったのが記憶に新しい。
     これはその時の罰なんだろうか。

    「拙者四つ耳は地雷なんだが!」

     炎髪からこれまた燃えた青いお耳がぴょこんとそり立っていて、尾骶骨のあたりからこちらも燃えている丸い尻尾がふわふわゆらゆらと、ズボンと尻に不快感を与えていた。

    「嘘でしょ。なんでよりにもよって拙者がうさ耳つけなきゃならないわけ? このトラブルこっちじゃなくてあっちでしょ! この! 指の先の方!!」
    「あはは……」
    「ひぃ〜こえーんだゾ〜! 子分〜〜」
    「どうなってんだ〜〜〜!!」

     経緯はこうだ。この日の魔法薬学の合同授業は三年B組と一緒で、監督生アンドグリムはウサギの脚力を一時的に付与できる魔法薬の調合中、本来ウサギの毛を薬が透明になってから入れなくてはいけないところ、まだ攪拌の最中にドバッと「多い方が高く飛べるんだゾ」という謎の理論を説きながらグリムが鍋に入れた。
     ペアになった三年生が魔法障壁を自分に張るところまでしか気が回らず、監督生はボカン! と爆ぜた薬液が降りかかるのを手近な片手鍋で防ぐ他なく、ぎゅっと目を瞑って身体を硬直させたが、薬液は自分にかかることはなく身体全部をしっかりカバーする魔法障壁が張られていて、それを施した人物であるイデアが「び、びっくりした!」と肩で息をしながら監督生のそばまで来た。
     監督生がほっとしたのも束の間で、おまけで守られていたグリムが足場の本を登って「びっくりしたんだゾ」と大釜を支えのためと前足でちょんと押した。
     そしてそのたったほんの少しの衝撃が、二発目の爆発を呼び起こし、完全に不意をつかれたイデアは監督生をぎゅっと抱きしめて自分が薬液を被るという肉壁の役目を全うした。
     そして現在のうさ耳うさ尻尾発現である。


     イデアはフードを被りぶすっと唇を尖らせて、尚も「あんな大観衆の前でハグと肉壁してうさ耳生やすとか最悪なんだが。ケイト氏に写真撮らせてと強請られた時は頭が沸騰しそうでしたわ! 拙者の不幸をインプ稼ぎに使わせてたまるかっ!」などと言ったり「拙者庇わなきゃよかった? いやでもこれがもしこんなロークオリティな意味不魔法薬じゃなく、劇薬だったら監督生氏最悪死んでますし、結果は残念だけどでも……」とブツブツと文句やら願望やらを垂れ流しているのだが、隣を歩く監督生に気づき息を呑んだ。

    「ひぁっ?! な、なに?! なんで? 君の教室あっちでしょ」
    「サボりません?」
    「……ふぇ?」

     監督生はイデアの服をひっぱり、空き教室に入るなりしっかり施錠した。
     拙者これからなにされちゃうの〜?! とお決まりのプリンセスのような手をぎゅっと握って胸の前で合わせるポーズを取って「こっち来てください」と手招かれるまま、設けられた椅子に腰掛ける。

    「改めてさっきはありがとうございました」
    「ァ、い、いえ、監督生氏になにかあったら、拙者が、い、嫌ですし、当然といいますか、というか、そばにいた三年使えなさすぎてイラつきましたわ! ちゃっかり自分だけ魔法障壁張っちゃってさ〜! 拙者なら自分も含めて魔法障壁張るなんて造作もなかったっていうのに、クルーウェルのペア分けのせいで〜」
    「フード取りますね」
    「ヒッ! 拙者まだ喋ってるしいいって言ってないんだが?!」
     いやだいやだと言う割に、なにをされるのか気になっているイデアは、監督生がフードを取り去るのさりげなく協力していた。
     けれど恥は別だ。
     顔を真っ赤にしてうさ耳を隠すように耳を手で押さえるようにする。

    「みーるーな〜〜ッ」
    「可愛い……触っていいですか?」
    「い、いやだ」
    「お願いします」
    「うう、上目遣いずる……い、いいよ。ちょっとだけ、なら」

     当然ちょっとで済むはずはなかった。

     ふわっとする炎髪同様に、燃えてるうさ耳も、炎の部分はゆらゆらと掴みどころが曖昧で、けれど元々の炎髪の温度より幾分高く、そして毛の部分が毛髪と違い、まさにウサギの毛の感触で、監督生はそのやわらかさと温かさに癒される。
     ふにふに、と触るたびピクピクと身体が跳ねて、変な感じがするのか唇をぎゅっと結んで目を瞑っているイデアにも、監督生は顔がとろとろに溶けてしまうほど「可愛い」と萌えきゅんとしていた。

    「イデア先輩がよく言う萌えが今わかりました」
    「いやだ、拙者で萌えるのやめてもろて……死にたくなるから」
    「こんなに可愛いのに?」
    「か、可愛くないっ! くっ、監督生がこうなればよかったのにっ! そしたらうさ耳いちゃいちゃパラダイスタイムだったのにっ!」
    「一体なにする気だったんですか?」

     それはもう夜のツイステッドワンダーランドだが?! とはさすがに言えないので「イエ、そんな、語る様な事では」と目を泳がせる。

    「それって今もできますよね?」

     ヤメテ! それってあなたの感想ですよね? みたいな口調で怖い事言わんといて! 自分で絶対言いたくないけど、この姿だと耳触られただけで、心臓バクバクいってるし、なんかスイッチ入るの早い! 股間がすでにもうワンダーランドしちゃってるんです! イデアは若干前屈みになりながら「無理、絶対無理というか嫌だ。解釈違いもいいとこ」と早口で言った。
     頼むからもう解放してくれ〜!

    「尻尾も見せて欲しいんですけど」
    「なぁに言っちゃってんの君ってやつぁ」

     背後に回ろうとする監督生を阻止する様にイデアはお尻を手でガードする。
     うさ耳つけたでかい男が、ケツをガードする姿とか珍事でしかない。

    「減るものじゃないですよ?」
    「減るんだよッ! 拙者の尊厳とか尊厳とか尊厳がっ!」
    「私だけですから〜」
    「ぜーーーったい、い・や・だ!」
    「ちょっとお膝失礼しますね」
    「だーかーらーいいって言ってないが?!」

     膝にまたがる様に座られて、イデアは自分の股間事情がやばいことを思い出し、必死に萎えることを考えまくっていたが、当然バレる。

    「……もしかして……ふぅ〜ん」
    「ニヤニヤするのほんとやめて……思春期男子高校生すぐ心折れちゃうから……」
    「うさ耳ふにふにされて気持ちよくなっちゃったんだ」

     事実なだけにイデアは吐血しそうになって項垂れた。
     ガードの緩んだお尻を監督生がまさぐっているのにもなにかを返す気力はなく、さっき監督生とペアを組んでいたのが獣人族で、詫びとして借りることになった獣人族用のズボンがここにきてファインプレーみたいに効いてきていた。

    「うわっ、すごい。こっちも燃えてるんですね」
    「わかるよ。わかりますよ。その好奇心の赴くままに行動してしまう気持ち。でもさぁ、やりすぎ!」

     ぶわっとイデアの髪が赤く爆ぜる。
     羞恥心が限界まできて、怒りに変換された。
     監督生は熱を持った髪の中で、ピンと立っている耳に視線を投げ「あそこもやっぱり赤くなってる」と口ではなく顔で語っていて、それを見たイデアが「君の肝の座り方異次元すぎん?」と平静を取り戻した。

     観念したイデアは、監督生が気の済むまでうさ耳うさ尻尾を触らせることにした。
     自分の上に跨ったまま腕を伸ばし耳を触る監督生を見つめ、もううさ耳うさ尻尾つけてイチャコラしちゃいたい。いやでもうさ耳うさ尻尾が文字通りゆさゆさしてるって事実を想像すると、自分がキモすぎてまじで無理。絶対無理。とあーでもないこーでもないを繰り返していた。

    「クルーウェル先生が言うには、一時間もすれば戻るだろうって、なので」
    「だからサボろうって発想になったわけね。把握」
    「ちょっと、足りないですよね……」

     監督生はイデアの胸に頬を寄せ、ぎゅっと腰に腕を回し、視線をイデアに向けることなく、ぎゅっと唇を結んでいた。

    「……ほんと君ってさぁ、僕を煽る天才だよね」

     イデアはさっきの大釜から残っていた魔法薬のサンプルを取っていた。もちろん後学のために。それに人体への治験も済んでいることだし、安心安全に思う存分やりたいことができるってわけ。

    「じゃ、次は君のターンね? ハニーシュガー
    ベイビー?」
     うさ耳が消え始めたイデアは、小瓶を揺らしニヤリと笑った。
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    kazeaki_twst

    MAIKINGアズ監🌸「戻れない日々の続きを歩いて行く」
    前作の「星が降る夜に」の続き。
    その日は、本当にいつもと変わらなかった。
    四年生になり、いつもと同じように研修先からグリムと帰宅し
    「グリムーっ!ちゃんと外から帰ったんだから、手を洗いなよーっ!」
    なんて言いながら、自分の部屋で制服を脱いでいた。外は、すっかり暗くなり秋らしく鈴虫か何かの虫が鳴いている。
     そして、ふと鏡に目をやると首元のネックレスが光った。そこには、恋人が学生時代に使用していた魔法石───を再錬成して作った少し小ぶりの魔法石がついていた。監督生の頬が思わず緩む。
     これをプレゼントされたのは、ほんの数日前のことだ。

    「監督生さん、これをどうぞ」
    いきなり差し出された小さな箱を見て、監督生は首を傾げた。目の前は、明らかにプレゼントとわかるラッピングに、少し緊張した表情のアズールがいた。
     監督生は、何か記念日であっただろうかと記憶を辿り───思い当たる事もなく、思い出せない事に内心焦った。当然、自分は何も準備していない。
     しかし、このまま何も言わずプレゼントに手をつけなければ、きっとアズールは傷つく。いつも余裕綽々とした態度で、若年だと侮られながらも学生起業家として大人たちと渡り合う深海の商人── 2244