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    itokiri

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    itokiri

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    イデ監
    こそこそ学園内でちゅーするわざわざ公言してない恋人関係の二人。いちゃついてるだけ

    ##イデ監

    ひっそりリア充になっていた件「い、いま?」

     イデアは小声かつすっとんきょんな声でおろおろと視線を彷徨わせる。
     ちょいちょいと服を引っ張られ、顔をそちらに向けたら「キスして」と唇をつんと突き出され、踵を上げては下げてとして監督生が待っている。
     おねだりされるのは嫌いではないし、むしろ可愛いから好きなのだけれど、場所が場所だ。
     監督生が生身のイデアを発見して駆け寄ってきて、移動教室の方向が同じだからと共に連れ立っているだけで、そこかしこにまばらに人がいる。
     たまたま廊下の人通りが少ない場所に二人きりとなっているが、ほらまた人が来た。
     イデアはポリポリと頬をかいて「揶揄ってない?」とニヒヒと試すような視線をぶつけてくる小賢しくも可愛らしい子の頬を摘む。
     きょろきょろと辺りを見回してから、人の往来が完全にないことを確認し、イデアは顔を寄せた時に溢れる炎髪を右手で抑え、踵を上げてんっとキス待ちしている彼女の唇に軽く自分のものを重ねた。

    「はい。これでおけ?」

     ポッと頬を赤く染め、毛先も桃色にしたイデアが監督生を見下ろす。
     満たされた顔が待ち構えていたので、不意打ちでもう一度唇を奪ってやる。

    「わあ」
    「年上を揶揄って遊ぶから、お、お仕置き」
    「ふふふっ」

     クスクスと唇を指先で隠すように微笑んで、首をちょこんと傾ける。お仕置きになっていないのは明白だ。

    「……ほら行くよ」
    「はーい」

     手を繋がれて軽く引っ張られるままに、歩く。
     歩幅の差を考慮した歩調に、監督生の胸はきゅんと高まり、握られている手に少し力を込め、視線を向けてきたイデアに笑みを向ければ、彼は気恥ずかしそうに眉を寄せ「なんだよ。変なやつ」と柔らかな笑みをこぼす。

     その一部始終を見ていたイグニハイド寮生が「うちの寮長がひっそりリア充になっていた件」というスレッドを立てたとか。
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    kazeaki_twst

    MAIKINGアズ監🌸「戻れない日々の続きを歩いて行く」
    前作の「星が降る夜に」の続き。
    その日は、本当にいつもと変わらなかった。
    四年生になり、いつもと同じように研修先からグリムと帰宅し
    「グリムーっ!ちゃんと外から帰ったんだから、手を洗いなよーっ!」
    なんて言いながら、自分の部屋で制服を脱いでいた。外は、すっかり暗くなり秋らしく鈴虫か何かの虫が鳴いている。
     そして、ふと鏡に目をやると首元のネックレスが光った。そこには、恋人が学生時代に使用していた魔法石───を再錬成して作った少し小ぶりの魔法石がついていた。監督生の頬が思わず緩む。
     これをプレゼントされたのは、ほんの数日前のことだ。

    「監督生さん、これをどうぞ」
    いきなり差し出された小さな箱を見て、監督生は首を傾げた。目の前は、明らかにプレゼントとわかるラッピングに、少し緊張した表情のアズールがいた。
     監督生は、何か記念日であっただろうかと記憶を辿り───思い当たる事もなく、思い出せない事に内心焦った。当然、自分は何も準備していない。
     しかし、このまま何も言わずプレゼントに手をつけなければ、きっとアズールは傷つく。いつも余裕綽々とした態度で、若年だと侮られながらも学生起業家として大人たちと渡り合う深海の商人── 2244

    葉づき

    DONE #葉づきエアスケブ小説企画
    ニンコパ会場でのリクエストありがとうございます!

    リクエスト:「嫉妬」 アズ監 ジェイ監
    アズールジェイドとの事だったのでこの2人とサンドにしました!
    「僕、監督生さんに告白しようと思うんです」

    ジェイドに告げられたその一言に僕は思わず低い声で「は?」とだけ返した。ドクドクと鼓動が煩い。心拍数が上がって、喉が乾いていく。目の前のジェイドはニコニコと笑みを深くして未だに薄ら寒い笑みを顔に貼り付けている。

    「……何故僕にそんな事を言うんですか」
    「いえ、一応あなたにも知っておいて頂こうかと」
    「どういう意味です? 勝手にしたら良いでしょう?」
    「えぇ言われなくとも勝手にはします。アズールはどうするんですか? まぁ僕としてはこのまま黙って諦めて頂けると一番嬉しいのですが」
    「……おまえ……」
    「ふふ、そんなに怖い顔をしないで。僕達、同じ陸のメスに恋した仲じゃないですか」
    「……知ってて僕を煽っているのなら、本当に良い性格をしていますね、おまえは」
    「ふふ、ありがとうございます」
    「褒めてない。……良いでしょう。お前がそのつもりなら僕だってあの人を手に入れてみせる。ジェイド、おまえにだって譲ってなんてやりませんよ」
    「そうこなくては。僕も絶対に負けるつもりはありません」

    ニヤリと笑うジェイドの眼光がギラリと鈍く光る。敵意に溢れたその顔は 1382