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    従者の終生

    創作企画〖従者の終生〗です

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    従者の終生

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    フリート(1月度🎍)

    1月に投稿した「今日の従者終生」の原文纏めになります。

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    2022/01/01
    【🔔】
    🎍あけましておめでとうございます、本年もどうぞよろしくお願い致します。皆様にとってより良い一年でありますように。

    また本日、第5回イベント概要ページが公開予定となります。よろしくお願い申し上げます。

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    2022/01/02
    【研究者の日記】
    メモ「もし、世界を終らせるスイッチを自分が持ったらどうするだろうか。正確には終らせるかどうかは分からないが、確実に何かを揺るがしてしまう。そんな事実を。
    壊す者もいるだろう、押してしまう者もいるかもしれない。私はー…きっと誰にも言えない」

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    2022/01/03
    【研究者の日記】
    📝「帰丹段では毎年、祭りが開かれる。和装に身を包んだ人々が色とりどりな飴や、風船や、屋台料理を片手に新年を祝うのだ。この辺りでは神社の出店も少なく、多くはこの通りに集まる。ここで家族に知人に友人に、新年初めて会う者も多いのだろう。」

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    2022/01/04
    【研究者の日記】
    📝「赤い提灯が宙に並び、彩る光景こそは正に新年に相応しい。
    少し思い出されるのは春先の青花祭だ。あのときとは対照的な赤色。
    【主】を祀り、縋り、願って祈る。この世界にはそういう風習がとても多い。帰丹段もその一つだ。」

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    2022/01/05
    【研究者の日記】
    📝「帰丹段は【主従】と世界の存続を祈る場だという。【主従】という制度が続くように、というよりは【主】と【従】の長寿…、若しくは二人が仲違いせず寄り添うその関係が続くことを、寿命を司るとされた【原初の主】に祈るのだという。」

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    2022/01/06
    【研究者の日記】
    📝「この世界は、祈りが好きだ。叶えたい希望や願望を持つとき、必ずといっていいほど祈りが付いて回る。【主】には奇跡が宿るから。
    いや、奇跡なんかではない。ただの才能だ。【主】は魔法使いでも無ければ神でもない。ただの人間なのだから」

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    2022/01/07
    【研究者の日記】
    メモ「【原初の主】は寿命を象徴する存在だという。それは【主】にして寿命が尽きた後に、また復活したという逸話から来ているらしい。【主】の法則どころか、人間としての法則も破っている気がするが大昔の存在だから尾鰭がついているのだろう」

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    2022/01/08
    【研究者の日記】
    メモ「【世界の存続を祈る】世界は、続いて欲しいのだろうか。【主】は、【従】は、こんな世界が続くことを本当に願えるのだろうか。
    あなたのために、なるのだろうか。」

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    2022/01/09
    【研究者の日記】
    メモ「帰丹段。丹ー…即ち、赤に帰る階段。一面の雪で覆われた白を越え、日差しを待つこの階段は長い長い歴史を持っている。
    【主】と【従】は手を取り此処を登ってゆく。ささやかな祈りのように、その二人が繋がっているという証のように」

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    2022/01/10
    【主従研究記録】
    メモ「赤の祭の歴史は長い。現在のような暦が無いほどにずっと古い時代から続いていた。儀式に近い形で帰丹段の祠に人が足を運び、捧げ物や祝いの意味でご馳走や花を並べ 振る舞ったのが始まりだ。今はその形が少しずつ変化し、縁日に似た場になっている」

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    2022/01/11
    【研究者の日記】
    📝「【主】は【従】により守られるべきだという。身を挺して、時にはどれほどまでも自身を犠牲にして【主】を守り続ける【従】たちの姿は、本当にこれで良いのかと我々の「人」という性質に問う。【従】は元より、ずるくなんてないのだ。」

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    2022/01/12
    【■の日記】
    📝「一人目の従は幼く小さい忌まれた男の子。両手を広げても私の片手に及ばなかった。いつも一人で何も欲しがらず、物も喋らなかった。
    周囲からの圧力に耐えられず、彼は私の前に差し出された。初めてその身を強く欲された。最後まで泣かなかった。」

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    2022/01/13
    【■の日記】
    メモ「二人目の従は当たり前のように私の傍に居た。村一番の美女で、気立てもよかったのに不死身の身体を疎まれ誰とも結ばれなかった。
    彼女も私の前に差し出された。わたしならばきっと大丈夫だと、勇ましく慢心し、優しく傲ってくれた彼女も、もう居ない。」

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    2022/01/14
    【■の日記】
    メモ「三人目の従はいつも何かに怯えていた。その何かが私自身であることに気付いたのは最後の最後だった。
    彼は恐らく、殆ど人生の中で何も食べなかったのだと思う。その頃は気候が荒れて、村が食糧難で、死なない彼が口に出来たものは無かった」

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    2022/01/15
    【■の日記】
    メモ「四人目の従は私を慕ってくれた。私の為にとなんでもしてくれるような、穏やかで強い女性だった。
    彼女の好意に応えることが、私に出来ただろうか。私が命を奪ったのに。あなたのためにというその言葉が、今も呪いのように消えてくれない。」

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    2022/01/16
    【■の日記】
    メモ「五人目の従は双子の片割れ。天才の兄と、不死身の弟。死という恐怖を知った日から、兄に妬まれ続けた。
    彼が私の前に来たとき、とっくに疲れきっていた。私は彼を奪えなかった。そうして共に暮らして10年目。もう大丈夫だと彼が笑って身を差し出した」

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    2022/01/17
    【■の日記】
    メモ「六人目の従は感情的な少年。よく笑いよく泣き、人のために憤れる子供だった。信念を貫くためならば刀を向けられても鉄砲を向けられても怯まない。
    私がもう終わりにしたいと言うと、彼は怒った。彼の信念は、私を生かすことを選んだ。優しく残酷に。」

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    2022/01/18
    【■の日記】
    📝「七人目の従。口癖は〝面倒臭い〟何をするにも後回しで、気分屋で、いつも飄々と笑っているような男だった。なんでもいつでも自分のやりたいことを一番優先したくせに、お前を死なせる方が面倒だよと、他に何も言わずに命を差し出した。」

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    2022/01/19
    【■の日記】
    📝「【従者の終生】とは、短命な【主】と長命の【従】が共に寿命を迎えることを指す。天文学的な確率でしか起こらない、正に奇跡。【従】が自分を置いて逝く【主】に想う願いと現代では解釈された。
    しかしそれは逆だ。本当は、これは、【主】の願いだ」

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    2022/01/20
    【つかさの日記】
    📝「どこから記録を残そう。話したいことが沢山ある。
    私達が生きた世界のこと。私が【原初の主】と呼ばれてから【主従研究記録】を残すまでのこと。そして何よりも、あなた達の身体と、寿命のこと。
    二千年分の返事を聞いて欲しい」

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    2022/01/21
    【つかさの日記】
    📝「【主】と【従】は、人類史上で最も残酷に作られた物だ。これが世界を滅ぼしてしまったと言っても過言ではない。
    そうか、ここから話し始めようか。この世界は一度、滅びているということから。」

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    【つかさの日記】
    📝「この世界の歴史は、一度途切れている。二千年前に年表を鋏で切ったように、空白の時間がある。
    かつて滅びを迎えたあの場所を旧世界、今のあなた達が暮らす世界を新世界と呼べば分かりやすいだろうか。
    旧世界の文明は今よりずっと進んでいた」

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    2022/01/23
    【つかさの日記】
    📝「旧世界から新世界への移行は、何もかもが上手く進んだ訳ではなかった。一度手にした技術を全て捨て去り、存在すら次世代に残さない為に皆口を閉ざした。
    ずっと、黙って見ていた。二度目の歴史は新世界の、新世代が作らなければ意味が無かった。」

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    2022/01/24
    【つかさの日記】
    📝「アンケートを取った。対象は【主】と【従】。彼らがどんな考えを持ち、動くのかを知りたかった。そうすればこの二千年の結果が知れる。私がどうすべきかも…

    逃げ、だったのかもしれない。一人で決断することが、あまりに恐ろしかっただけだ。」

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    2022/01/25
    【つかさの日記】
    📝「欲を問い、罪悪を問い、大切を問い、愛を問い、気付いた。【天才】と【不死身】の時代と、【主】と【従】の現代は違う。かつて命を奪い合い消費し合う関係は、共に生きようと道を探し合う関係へと変化していた。私が、従者の終生を願ったように」

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    2022/01/26
    【つかさの日記】
    メモ「これはエゴだと開き直ることも、失敗を人間だから仕方がないと赦されることもない。考え続けることが役割だった。
    歴史は白紙からここまで来た。【アダム化手術】が生まれる直前の文明を取り戻した今。私は、最後の役割を果たさなければいけない。」

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    2022/01/27
    【刑事Fの記録】
    原稿「明が死んだ。恐らく何者かの手によって。
    先生が一冊のノートを見せてくれた。表紙も裏も白一色のそれには、明が毎日つけていた、記録が載っていた。恐らく【主】と【従】にしか配られていないそれには、俺の知らない明がいた。」(偉業と銃声/刑事)

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    2022/01/28
    【先生の通話】
    音量大「僕にこのノートを持ってきた子が言う〝主〟は明さんのことやろな。自分が死ぬて分かっとったんちゃうやろか。銃声事件で明さんが撃たれたんも、偶然やなかったかもしらん。もしこの記録がほんまもんなら、命狙われてて当然や」(偉業と銃声/先生)

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    2022/01/29
    【花火の答】
    音量大「寿命を覆すことが出来たとして、主が戻ってくる訳でもないんすよね。例え生き返らせたとしても、それはあの人の人生が駄目だったって言う気がして。そういうんじゃあないんですよ。あの人の人生全てを、褪せさせたくないんすよ」(青花の祭典/花火の従)

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    2022/01/30
    【AIの答】
    🔊「覆す。やるに決まってる。オレ達に出来る復讐は、報復は、抵抗する手段は、生きることしかねえんだよ。
    たった30年じゃ誰も何も聞きやしねえ、すぐに忘れる。母さんの苦痛に世界の耳を向けさせる為なら、どんな罪でも犯してやる。」(偉業と銃声/AIの主)

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    2022/01/31
    【菓子の答】
    🔊「もういいわ、あたしは。寿命を切り貼りして延ばすのは。
    長生きしたいわ、死ぬのもごめんよ。でも、大事な人に誇れる生き方を貫いてみたいの。あいつの為に美しく在りたい。そういう人が傍に居ることに気付いたのよ。」(彗星を喰う/菓子の主)


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