三度夜夏の夜はまだ明るい。
「あいつと…付き合う?ことになった、一応」
「え?寧ろ付き合ってなかったんか?」
更衣室で着替える二人組は、目線を合わせることなく、いつものように他愛なく話す。
「は?逆に何で付き合ってると思ったんだよ?」
「だってお互いの家に何回も行ってるし遊園地にも一緒にいくんやで?どう見ても両思いやnアイテッ」
「あいつはそういうタイプなんだよ…分かんないだろ」
杏太にとっては他愛ないことではない。
それに対する彼も、これが思い切った話であることを、ホントはわかっている。
「いや俺は知らんけどさあ、キョウちゃんはあの人んこと知っとんやろ?」
「…そうだけど」
わかった上で他愛ないようにしているのは、そうすることで救われると思うからだ。
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