目が見えない類 手探りで冷蔵庫を探し、中からペットボトルを取り出す。ひんやりとした空気が身体を包み、ここだけ別世界に来たみたいだ、と思った。
キャップを開けるまで中身はわからない。たぶん麦茶だろうか。口に含んでみるとやはり麦茶で、俺は喉を鳴らしてそれを飲み干す。カラカラに干からびていた身体がみるみる潤っていく。このペットボトルはどうしたらいいだろう? ゴミ袋がこの辺にあった気がする。適当に放っておくか。
「ただいまー。るい、無事~?」
「ウェルカムバック!」
玄関の方からガチャガチャと音が聞こえ、ミスターやましたの声がした。スーパーの袋の音もする、何か買ってきたんだろう。
俺は両手を広げておかえりのポーズをした。居間に入ってきたミスターの「なにそれ」という声にけらけら笑う。
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