途中の話② 三井がバスケ部に復帰した。髪を切り、プライドも何も捨てて戻ってきた三井に困惑しつつも、宮城を含むバスケ部員たちは受け入れることにした。男子バスケ部だけでなく、隣で練習をしている女子バスケ部も三井の存在を少し気にしている様子があった。
「あ、葵さん……」
「何」
「何であの人、戻って来たんですか」
後輩の一人が葵にそう聞いてきた。不良を引き連れて体育館を襲撃してきたその主犯。何故か桜木の仲間たちに庇われてここに復帰している。女バスの部員からしたら不可解な状況であるし、正直怖いというのが大きかった。
「怖くないですか。また仲間引き連れてきたりしたら……」
その後輩だけでない。葵と、葵と同学年の副キャプテンを除く部員全員がそう思っていた。
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