青空概念、特別の話アオアオ青空概念話(仮題
普通がいい。
シンプルなのがいい。
人もポケモンも、一生すらありふれたものがいい。
思春期ながらに、そう考えていた自分の学生の頃と言えば、なりたい『特別』もなく。よくある学生ならでは、なんてイベントは起こることすらないまま、あっけなく終わってしまった。
そう話すと聞いた者は皆、口をそろえてこう言うのだ。
もったいない、と。
続けて、いかに貴重な期間であるか、楽しい時期であったかを、こちらのことなどお構いなしに、滔々と語るのであった。耳にタタッコができるどころか、オトスパスに進化してしまっているのではないかと考えてしまう程度には、聞き慣れてしまった流れである。
とはいえ、いくら説得されたところで、そのもったいないとやらの実感が湧かない。それらを口惜しいと思ったこともなかったのだから、当然といえば当然とも言える。
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