壊れた感情の、行く先に「Fulgur!こっち!!!」
「おー」
ファミレスで席を確保していたAlbanは立ち上がって手を振った。
その姿に気が付いて、自覚があるのかないのか少し顔を綻ばせたFulgurが駆け寄ってくる。
「遅かったじゃん、ふーちゃん」
「あー、Ukiに引き留められてな」
試しにさらっとふーちゃん、と呼んでみたものの意にも介されず、ほっとしたような、どこか残念なような気持ちになる。
「どうせ浮気だとか騒がれたんでしょ?」
ニマニマ笑って言うと、目の前の彼が呆れたように溜め息をついた。
「あぁそのとおりだよ。Albanには気をつけろって。わかったからお前は早く午後練行ってこいって言ってやったら、如何にもしぶしぶって感じで戻っていったな」
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