地獄の火炎 ラディオルの残党を討滅し終わった頃にはもう日が傾きかけていた。雨も降りはじめた。班員の顔にはかすかな疲労が見て取れる。深追いは禁物。退却し、休息をとり、態勢を整えて続きは明日にすべきだ。
セフィロス自身、肉体的には少しの疲れも感じていなかったが、心が迷って進めそうにない。
グレンたちが用意したキャンプはもう遠い。いましがた空にしたばかりのラディオル人の根城を使おう。セフィロスが提案すると、グレンが苦い顔をした。異論があるのかと態度で問う。
「そこらじゅうに死体が転がってたら、寝覚めが悪すぎるだろ」
なぜ? セフィロスには分からなかった。襲われる心配がないのは良いことではないのか。しかし無理強いする気もない。
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