戦闘狂のぼくは戦闘禁止命令がくだされました「お前はもう戦線に出ることを禁ずる。」「馬鹿じゃないの馬鹿上官」「上官のことを馬鹿呼ばわりする阿呆はどこの誰なんでしょうね阿呆」「ぼく成績良いしー」「とにかく、お前の戦闘法と能力が噛み合いすぎて人的被害がでるんだよ。諦めろ阿呆」バタン　ぼくは天崎佳奈騎(てんさきかなき)天使騎士…、エンジェルナイトの能力者だ。あの馬鹿上官はか神楽坂誠(かぐらざかまこと)。聖人騎士、セイントナイトの能力者。僕たちがセイントナイツはリスミィナイツの魔の手から守る国直属の組織だ。「ぼくは戦闘しか脳がないのに、何考えてんだ馬鹿上官共は」戦闘禁止された戦闘狂、どう生きるんでしょうか

佐賀県　有田陶器市「たぬきやん」
「たぬきですね」
「ええなぁこれ。でもたぬきって信楽ちゃうの？　ここ有田やけど」
「ええやないですかなんでも」
「ええなぁ。うちに置かん？」
「初手でそんなデカいの買うんは完全に悪手でしょ」
「確かになぁ」
　道端に簡易的に構えられた店舗には、所狭しと陶器でできたたぬきの置物が並んでいる。持ち運べるサイズから絶対に無理なサイズまで、大小さまざまなたぬきたちが道行く人を見守っているのは、少々異様で目を奪われる光景だった。誰もがきっと一度は見たことがあるだろう。とぼけた顔をしたたぬきの置物に囲まれていると、まるで化かされたような気分になってくる。
　中でも一際大きいサイズのたぬきの前で立ち止まり、何を思って品定めをしているのか、狂児はしげしげとたぬきを眺めはじめる。その姿を横目にしながら、眉間をつまんでも眠気がましになる程度の鈍い痛みを感じるだけだった。