大典太光世とのお話主は強い人だと思った。俺などにお守りを渡し、臆することもない。また、周りからも慕われているし、怪我も恐れたりしない。そんな様子を見ていると俺は主が強い人なのだと思うようになった。
「あんた、俺を表に出してもいいのか?俺は封印されて、蔵にいるべき剣だぞ…」
主はすごく悩ましい顔をしていた。
「自由じゃ駄目かな」
「別にだめというわけではないが…」
「じゃあいい。大典太が望むなら蔵に置くけど、別にそれは大典太のしたいことじゃないんだよね?」
「大典太が何をしたいかで考えていいんだよ」
主の笑顔はとても優しさに満ちしていた。俺もそれがとても心地よかった。
(ああ、やっぱりあんたは俺なんかより強い人だ)
そう思えて仕方なかった。
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