いつわりのなか「よーし、来たなお前ら、そこに座れ」
いつもなら居残りをしている時間に、桜木は流川とともに宮城に呼び出されて部室の入り口に立っていた。ドアを開ければ険しい顔をした宮城と三井がいて、二人に向かい合う形で置かれた椅子を顎で指される。並んで腰かけた。
「呼ばれた理由は分かってるよな」
「リョーちん、すまん、もう二度と喧嘩はしねぇからっ」
「しねーっす」
「だから部活と試合に出さねぇってのは勘弁してくれ!」
「頼んます」
桜木が必死に言い募っても宮城の表情は硬い。
「お前らの謝罪は聞き飽きた。こっちが怒っても誉めてもいくら言っても喧嘩をやめないのはお前らだ。部活の邪魔になってる。冬の大会が近いっつーのに、お前らの喧嘩を止めてる暇はねぇ。これも言い飽きたな。だからさっき花道が言ったようにお前ら二人、明日から部活に来なくていいし、試合もなしだ」
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