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    hk_36_95

    しゅてるんです。創作のTLに流すには微妙な落書きや多すぎて困る動画に使った絵などを挙げてます。完成した漫画も見やすいのでこっち【@hk_36_95

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    hk_36_95

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    続マルタピの文章のみです。
    そこそこな量だったのでまとめました。
    内容はおんなじです。

    【Case:雷】
    黒い霧が立ち込める談話室。
    異様な光景、原因は明白だった。
    アレだけ教師が気を張ってもこの事態なのか。

    「散らせ…!」
    短い詠唱で魔法を発動する。
    魔法は使えない。が、魔具の類は使用できる。
    足に仕込んだのは風の魔法を起こす陣だ。
    持ち前の脚力と魔法の風。合わさって竜巻のような突風があたりの霧を一気に晴らす。
    怯えた生徒の目線の先、チカリと光る赤。
    ーー変種マールスタピルス

    「見つけたぞ!!」
    眼帯を勢いよく外し、その獣に向かって蹴りを入れる。
    (ここで潰す)
    魔法も何もかかっていない純粋な蹴り。
    だけどその大きさの生物を仕留めるには十分な力を込めた。

    結果、一撃は空振りに終わりマールスタピルスは逃げてしまった。
    無効化するには一足遅かったようだ。
    霧を散らすには魔法が必要だったのを思えばそもそも無理な話だったのかもしれない。

    (惜しかったな、他に被害が出ないと良いが)
    取り逃した悔しさはある、しかし今は目の前の生徒達だ。
    パッといつもの笑顔を作る。
    「もう大丈夫だ!全員保健室に連れて行こう!」
    そう言って3人を抱え保健室に向かうのだった。


    【Case:レスター】
    「分かっていたのにな」

    これはダメだと覚悟した時
    -死にやしないし大丈夫

    そう聞いて少しがっかりしていたことを思い出した。
    死にたいわけではない。が、死にかけてみたいとは思う自分はつくづく馬鹿だ。

    きっと助かる。眠り谷には腕利が揃っている。
    自分が欠けてもどうと言うことはない。
    不甲斐なさはあるが…化け物じみた恩師達をして己の未熟さは承知している。
    本当に何も心配はない。
    ただ…つまらないだけ。

    悪夢に落ちる束の間に、頭によぎったのは昔、妻に言われた言葉。

    「もしもね、貴方が死にそうになった時は、きっと予知して助けに行くの。」

    「離れ離れでも、どんなに遠くても。ずっと、貴方を観ているわ。」

    きっと今回も君は来ない。
    それが少し寂しいだけだ。

    自分の見る悪夢はどんなだろうか。
    自分の心を抉る夢なら、きっと君が出てくるんだろう。
    「それも良い気がしてきたな…」
    あとのことは誰かに任せて、今日はゆっくり夢に浸ろう。


    【Case:ヤナギ】
    「あ〜クソ〜気持ち悪っ!」

    この年で、まんまと、マールスタピルスにやられた。
    全くあの獣はいい趣味をしている。
    最悪の悪夢のリバイバル上映なんて、誰が望んで見たいもんか。
    私の夢が劇場だったら一夜にして大赤字の大破産だ。
    派手に滑ってSNSで話題にでもなったらいい。

    はぁ、とため息をつく。
    1番厄介なのは術を受ける前後の記憶が曖昧なこと。
    この私の、記憶をだ。

    一度見たものを覚える。一度あったことは忘れない。
    魔法とは違う、シンプルだけど稀有な才能で私の唯一の特技。
    これが一片でもグチャグチャにされた。
    本当に、耐え難い。
    例えて言うなら自分の本棚をめちゃくちゃにされた様な、1巻から綺麗に107巻まで並べた漫画を全部引っ掻き回され、盗み取られ、バラバラに並べられた様な、そんな気持ち悪さだ。

    「あいつ…だよなぁ。見覚えない教師なんて居るはずないし。
    あーくそ!分かってたのになぁ〜!!」

    「ヤナギ先生うるさい〜!」
    そういえばここは保健室だった。
    巻き込まれた生徒達も具合を悪そうにこちらを見ている。

    「ええい!喧しい!騒がずにいられないの!」
    生徒に構わずに言い返す。
    私の大人気なさを舐めないで欲しい。

    「もう絶対!来年は見回りしない!!!」

    そうは言ったものの…きっと来年もこの記憶を頼りに駆り出されるのだ。



    【Case:レフ】

    「まて、今喋ってるの誰だ」

    え!?と生徒たちの驚きの声が上がる。
    彼らは皆、マールスタピルスの変種を見るために集まった探究心の強い子達だ。
    先生方の忠告を無視し、先程までワイワイと話し合っていた彼らだが、提案してきた声の中にここにいない人間の声が混ざっていることに今しがた気がついたようだ。

    ほとんどの生徒はキョロキョロと辺りを見回し、戸惑い、ある子に至っては顔を青ざめている。
    うーん良い反応。
    もう少し混乱してくれたら思惑通りだ。
    期待を胸にしまい、ざわつく周囲を観察していると、1人冷静な生徒が口を開く。
    「みんな落ち着け。多分…レフ先生だ」
    「おお!!ピンポーン正解です!…ハ!!」
    思わず自ら返事してしまった。
    いや全く良い勘をしている。
    感心し過ぎてネタバラシしてしまった。

    「何してんすかレフ先生…」
    「ん"ん!それはこちらのセリフですよ!今日はマールスタピルスの変種が出現するかもしれないからと警告が出ていたでしょう!」
    「そ。だけどさぁ、先生いいの?」
    「何がです?」
    「ここいらの動態検知、動いてないから俺達ここにいるんだけど?」
    時計の針を見る。
    次に青ざめたのは自分だった。

    悲鳴とドタバタした足音。
    その主の姿は捉えられないが、どんな様子かは手に取るようにわかる。

    「ほんっっっっとにすみませんでした!!!!」
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