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    Dochi_Kochi28

    @Dochi_Kochi28
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    原神ご飯小説 スピンオフ
    レザー君のお料理修行 その1

    はじまりは卵から「おれに、料理、おしえて、ほしい。ハッシュドポテトのほかに、つくれるやつ、増やしたい。」

    壺の中の家の厨房を見たレザーが、旅人である空にこういったのが数日前。いいよ、と彼が言ったので、今、彼とレザーの目の前には、籠に山もりの鳥の卵がある。

    「いっぱいもってきたな、レザー。」
    後ろから、いつも通りに空の料理を見守るパイモン。

    「失敗、心配、だから、多く持って、きた。」
    「じゃぁ。一緒に料理、はじめようか。」

    コンコンコン。カシャッ。
    テーブルに殻を打ち付けて、入ったひびに指をかけて、フライパンの上で、割る。
    しかし、慣れない身には、難しい。

    「むー・・・。うー・・・また、黄色いの、割れた。」
    フライパンの上には黄身の割れた卵が5つ。
    「目玉焼きって、難しいよな。 きれいに割れないと特に。大丈夫だぞ。レザー。」
    5戦5敗。
    「ベネットがやるみたいに、まんまる、できない。」

    悩むレザーに対し、やさしく微笑んで、空は菜箸を取り出して、カシャカシャとフライパンの上の卵をかきまぜ、塩と胡椒で味をつけていく。
    出来上がったスクランブルエッグをひとさじ、スプーンですくい、空はレザーに渡した。ふうふう、と冷ましてから、レザーは口に入れる。

    「・・・うまい。」
    ふわふわ。ちゃんとあったかい。味もする。

    「目玉焼きで失敗しても、こうやってスクランブルエッグにすれば大丈夫だよ。」
    「失敗、してもいい?」
    「うん。してもいい。味付けは失敗しちゃうと大変だけど、卵なら、大丈夫だよ。」
    「そうか。失敗、いいのか。」

    「・・・でも、黒焦げ卵はかんべんだぞー。」
    「わかった。やきすぎ、だめ。」
    「生焼け卵も大変だぞー。」
    「うー・・・」
    「弱火にして、ふたをして時間をはかって焼けば大丈夫だよ。しっかりフライパンを見張ってれば、平気だよ。」
    「わかった。やる。」

    そのまた数日後。毎日出てくる朝の卵料理にもみんなが慣れてきたころ。
    「・・・おお!レザー、完璧だ!黄身、割れてないぞ!」
    「う!」

    ふたをして、弱火にして、横にあった砂時計をひっくり返して、じっくり待つ。
    砂時計の砂が落ちきったら、ふたを開ける。

    「焦げてない!やったな、レザー!」
    「やった。できた。はじめて。」
    「よかったね。レザー。」
    「うぅ・・・あり、がと。」

    おいしい、は、うれしい。
    でも、周りのカリカリも、おいしい。
    目玉焼き、できて、うれしい。


    これは、料理の勉強の、最初のお話。

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