大寿くんの恋愛相談室✱
「これは友だちの話なんだけど」
「あぁ? オマエがどうした?」
「大寿くん、デリカシーって知ってる?」
昼下がりのファストフード店は、ほとんどの席が女子高生によって占領されていた。アレやコレやと流行りのラブソングや、それなりに際どい彼氏の愚痴で盛り上がっている。その中で三ツ谷の目の前に座る大寿は、随分とミスマッチな光景だろう。
「日頃のテメェの言動思い返してみろ」
「あー、お互い様ってやつ?」
常人なら恐れ震えてしまいそうな大寿の眼光にも、三ツ谷は慣れたもので軽く返す。そうしてトレーに広げたポテトの山から、普段なら妹たちに譲るであろうカリカリのポテトを選んで口に放り込む。長子同士、遠慮はなしだ。
「まあでもいいや」
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