妄想その1
チェズレイがモクマを置いて一人で危険なことしようとする
「それはさ、ちょっと危険すぎやしないかい?」
「いえ、これは、私個人の問題ですから。モクマさんには関係ありません。今回あなたの手出しは無用です」
たしかに世界征服への道のりを共に歩んでいく約束はしたのだ。だがこれは完全に私怨である。この人にはなんの関係もない。そもそも相棒などいなくともこれまで一人で何もかも対処してきたのだから。そんなことこの人だってわかっているはずなのに。なぜ今回はんなにも聞き分けがないのだろう。扉の前に立ち塞がった男は己のいく先を遮ったまま、そこを動こうとはしない。
「だめだよ、チェズレイ。お前さんを一人で行かせるわけにはいかない」
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