※過去設定悩んでいた時の投稿
今悩んでるけど、ジェーン、ドクターは組織に引き取られた孤児設定付け足すかっていう……。ヴィクターも長い間組織にいる。だから三人とも付き合い長いしお互い信頼しあっているのも納得出来るかなって……
これを使うなら…ヴィクターの事は育ての親の様(で親戚の叔父さんの様)なもんのジェーンとドクターって事だし、ドクターからすればジェーンは妹の様って事だし……
※以下大雑把な過去設定後の投稿
両親が亡くなって孤立状態になってしまったジェーン、(事件後のケアも含め)組織に引き取られて お世話係というかそれでヴィクターと出会う…ってのを考えてて。
死んだ顔のジェーンが組織の人間の後ろに隠れるように立っている。組織の人に、
「ジェーン、この人はヴィクター。今日から貴方のお世話をしてくれるよ」
って言われて、ヴィクターがしゃがんで
「はじめまして、ジェーン。私はヴィクター。ヴィクター・ブラックウェルだ。」
って言われて、そこまでほぼ無反応状態だったジェーンが初めて、彼の顔を見て
「……ヴィ、ク?」
って震えながらも声を出す。組織の人は驚いて(ジェーンについて聞いていたヴィクターも勿論驚いているけど無表情)ヴィクターと顔を見合わせる。
「ヴィ、ヴィ…ク、はじめ、まして…」
ヴィクターが差し出した手に恐る恐る手を重ねるジェーン。何処か懐かしさの様な、温もりを感じる……。
「ふふ。良かったわ。ヴィクターは無表情だからてっきり怖がると思っていたのだけど」
「…失礼な」
「あら、でも事実だしみんな言っているわよ。愛想笑いくらいしたらいいのにって」
そんな冗談を言いながら組織の人がにっこり微笑んで、
「それじゃヴィクター、頼むわね」
と言って去っていった。ふたりきりになったジェーンとヴィクター。
「……う、」
「…?」
「うあああ……」
突然ボロボロ泣き出すジェーン。今まで緊張や精神的ストレスで張り詰めていたのだろうか、
両親が死んだとなれば、ましてや(資料や現場で見た死体からすれば)あんな事件の後では 心が壊れていてもおかしくは無い…など色々考えながら、ヴィクターはジェーンを抱きしめる。
「…安心しろ。此処にはもう君を傷つける者はいないし、誰も君をひとりにしない。私が君を守る」
泣き疲れて眠ってしまうまでずっと彼女の傍にいたヴィクターであった。
組織がジェーンの事をヴィクターに任せたのは彼が長年生きているからこそ、物理的にも内面的にも守れるだろうみたいなそういうアレです。無表情で口数少なめではあるけど、子供達には慕われてるし人気だし……みたいな。ドクターもそのひとり。
一部の子から「ヴィクターはずっと見た目変わらない(老けない)けど何で?」と言われたりもするけど。それは彼が 〜〜年生きてきた"吸血鬼"だからってのは後から知る(組織から知らされる)訳だけど、ジェーンに対しては 事件などを考慮して知らされていないって言う……
自分のタイミングで知らせろよ〜(要約)って上の人らに言われてるんですよヴィクター。だからドクターにも「いつ彼女に教えるんだい?」って言われてるんだけど……。それが 一番最初に呟いた、事件で敵の組織の者を追いかけている時(戦闘しながら)に重症追って血液不足で
目の色も変わって動けない所を見てしまい、そこで初めて彼が"ヒト"では無い事を知るジェーン……に繋がる訳で。ジェーンも大人だし 組織の人間として働くようになったからある程度の 耐性はついてきてるけど、まさか身近な存在が"吸血鬼"だったなんて思わないし、
組織内に他にも"ヒト"では無い者がたくさんいるとは思わないし……。それでも目の前の男は大切な相棒で 信頼してる親の様なひとだから、助けずにはいられない。昔 親を殺され…された奴と同じ"ヒト"では無い者とわかったからといって、その思いは変わらない。だから、
血をあげた……。死んでほしくないから。
長くなったけど色々そんな感じ
ドクターも一緒にその場にいるか、それとも後からヴィクターに用事があってジェーンの部屋にやって来るかで迷ってるけど…
「僕はフレッド!フレデリック・ケイン・トラヴィス。僕の事はドクターって呼んで」
「…彼は発明が得意なんだ」
「そ!だからドクター。君がジェーン?よろしくね」
やはり差し出された手に恐る恐る手を重ねるジェーン。
「ヴィ、ク。ドク、ター」
たどたどしくふたりの名前を呼ぶジェーンの手を優しく握って、
「うん!そうだよ」
ってにっこり笑うドクター。ジェーンと同じような子をドクターも見てきてるから、扱いには慣れてる。
ドクターの手からも何かを感じ取ったんだろうねジェーンは。
事件後 心を開いた人物、ドクターで二人目。それからは一緒に遊んだり勉強したり…。
そこから2年後くらいに
「お外、行きたい」
って言うジェーン。それを聞いたふたりは顔を見合せてぱぁっと笑って(笑ったのはドクターだけだが)
「じゃあ今すぐ行こう!あっ、でもヴィクは…」
「大丈夫だ。臨時休暇で通せば」
「…よし。ジェーン、みんなで出かけよっか。丁度僕行ってみたいご飯屋があってさ……」云々…
そんなこんなでヴィクターの運転でご飯食べに行ったり、海に行ったりする三人ね。
ドクターはずっとヴィクターの事「ヴィクター」って呼んでたけど、ジェーンの「ヴィク」呼びが気に入ってそう呼ぶ様になる……と思う。
「ヴィ、ク」
「ん?」
「かみ、さわっ、ても…い?」
「ああ」
小さな手でヴィクターの髪を撫でるジェーン。
「かがみ、みて」
「!」
言われた通り 彼女が持つ手鏡を見ると、頭の上には白い花で作られた冠。
「かわ、いー。ヴィク」
そう言って微笑んだジェーン。組織に引き取られてから初めて見せた彼女の笑顔は天使のようだった。
「ドク、タ」
「ん?なんだいジェーン」
「ドクタ、えほん、よんで」
「絵本か…OK!じゃあこっち座って」
ジェーンに頼まれて絵本を読んであげるドクター。
『…すると、オオカミさんが大きな声で言いました。ガオーッ食べちゃうぞーっ!』
「わぁっ」
台詞を読む時ジェーンを見て演技するから、ジェーンはそれを楽しく面白がる。
絵本を読み終わると、
「面白かったかい?」
「うん。ドク、ター、よむのじょーず。おもしろ、かった」
「えへへ、良かったぁ」
「またあした、えほん、よんでほし」
「!!勿論!じゃあ僕が面白そうな絵本借りてくるよ」
物語を通して繋がる絆。…日に日にジェーンもドクターの真似をして、楽しい時間を過ごすようになっていく。
「ヴィク」
夜。ヴィクターの服を引っ張るジェーン。目線を合わせる為にヴィクターはしゃがんだ。
「どうした」
「ねむれ、ない。いっしょに、ねてほし。こわい…」
半分座った目。寝ようと努力しでもダメだったらしい。幼い"人間"の子はヴィクターの手をぎゅっと握った。
軽々と抱きかかえ、ベッドへと向かう。
…幸いジェーン用のベッドは大人一人も寝れる大きさだったので、ヴィクターは彼女の隣で肘をついて寝転んだ。
「ひとりに、しない、で」
今にも泣き出しそうな声で呟くジェーンのお腹を優しくポンポンと叩きながら、
ヴィクターは"子守唄"を歌い始めた。
幼いながらもそのメロディに懐かしさと優しさを感じるジェーン。"子守唄"の三番の辺り。ヴィクターの低い声も相まって、すやすやと寝息を立て始めた。
(ひとりにしないで、か)
ひとりになどするものか。と呟きながら、ジェーンの目元にたまった涙を人差し指ですくう。そのままヴィクターも目を閉じて眠った。
"子守唄"はヴィクターの"同族"="吸血鬼"の間で歌い継がれてきた伝統的なものなんだよね。歌詞は独自の言語のイメージ。全く意味わからなかったけど、特徴的なメロディにジェーンは色々感じたんだろうな。まだこの時ジェーンはヴィクターが"ヒト"ではないなんて知らないけど。