Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ねずちゅー

    @nezutyuuusan

    @nezutyuuusan

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 80

    ねずちゅー

    ☆quiet follow

    桃悟くんとディーくんを呼んで決闘試合をしたよ!
    自転♀(シャルロット)視点

    桃悟くんとディーくんと双子で決闘試合 天気のいい、晴れた日の放課後

     私シャルロットと弟のシャルドネ、友達のディーくんと桃悟くんの4人で学校外の草原に集まっていた。
     
    「今日貴方らを呼んだのは、皆でゲームをしようと思ってね?どうだい?」
     
     シャルドネはみんなにそう言った。

    「お!ゲームかいいねぇ。何するんだ?」

     ディーくんが楽しそうにズイッと前に出てくる。
     
    「なに、ペアで決闘だよ」

    「おお!面白そうだね!」

     桃悟くんも乗り気のようだ。

    「嬢ちゃんもか?」

     ディーくんが私にそう言ってきた。

    (仲間外れはやだ!)

     私は頬をプクーッと膨らませる。

    「そういう意味じゃないんだ、悪かったって」
     
     ディーくんは頬を膨らました私に気付いて頭をポンポンと撫でてきた。

    「そうだ。シャルロットも参戦する」

     シャルドネはドスッと地面に座り胡座をかいた。

    「もしリアルに戦闘があったときのためさ、お互いの闘い方を知っとくとこれから便利だろ?」

     シャルドネはそう言いながら、ポンッと魔法であるアイテムを出現させる。

    「この魔道具を使う。ルールは簡単だ。このシールドが壊れたらアウト、そいつはゲームオーバーだ。先に相手2人を倒したらオーケー、ゲーム終了ってなわけだよ」

     あ、ちなみにこれはこの前、桃悟におねだりして買って貰った。
     シャルドネは皆にポイっと投げ渡しながら、ニコニコと微笑みそう言った。

    「……こんな高価そうな道具をおねだりって……そんなに甘やかしていいのか次期公爵様よ……」

     ディーくんは若干引き気味にシャルドネを見ながら言った。
     
    「……ああ!あの時の?!なんでこんなの欲しいのかと思ってたけど、そういうことか」

     てっきり、また何か企んでると思ってたよ。
     桃悟くんはボソッと呟いた。
     
     シャルドネはというと、2人のコメントを見事にスルーしていた。

     シャルドネが私に包帯のような白い布を手に持ち、私に手渡してきた。
     
    「シャルロット……ルティにはこれで目を塞いで戦ってほしい」

     あぁ……そういうこと
     流石にハンデってことね。
     視界を布で塞がれたとしても不便なく戦える。
     むしろ、訓練としていい体験になるかもしれない。

    「……了解」

     私はそう言いながら受け取ろうとしたが、横からディーくんが慌てて奪った。

    「待て待て、流石に女性相手にそれはないだろ」

    「シャルドネくん、ダメだよ」

     桃悟くんも加勢してシャルドネを非難していた。
     シャルドネはニヤッと笑う。
     
    「ふっ、いいのかい?姉にハンデなくて。……まぁ、そうしたいのなら別にいいが……」 

     シャルドネはガサゴソと棒を数本取り出す。
     
    「くじ引きだよ。公平だろ?」

     ほら、みんな取って取って。

     みんなが一本ずつ棒を取っていく。
     私が取った棒の端には赤色に塗られていた。
     ディーくんも赤色だった。

    (わわっ!こんなに背が高い人がお仲間だなんて!)

     私はニコニコと彼の後ろで軽くはしゃいでしまう。
     シャルドネがそんな私をじーっと観察していた。

    「結果は私と桃で……相手は食いしん坊チームと……」

     はぁーー
     シャルドネはそう言いながらため息を出した。

    「ハンデなしのルティが敵か……こりゃヤバいぞ桃太郎」

    「桃太郎?それってもしかして僕のことかなシャルドネくん?僕もあっちに行こうかな〜?」

    「ちょっ?!私1人を蹂躙する展開は面白いとは思うが……なっ?頑張ろうぜ?な〜友よ拗ねるなって〜」

     シャルドネは桃悟くんに抱きつきながら、必死に彼を引き留めていた。
     
    「桃が敵かー、頑張ろうなシャルロット」

     ディーくんがそう言いながら頭をポンポンとしてくれた。
     僕が野郎どもから守ってやる。
     そんな意味が込められているのだろう。
     守られるお姫様のような扱いをされ、私はホワホワと嬉しい気持ちになった。

     シャルドネがヒソヒソと桃悟に話しかける。

    「ありゃディー気付いてないな……」

    「え?気付いてないって何が?」

     シャルドネが嘘だろ?と驚いた表情で桃悟を見る。

    「そっか……君達見たことないのか……ま、お遊びだしやってみようではないか。ほら、両者適当な位置につけよー」

     数秒後に発煙する道具をポイっと投げる。
     あれが今回の試合の合図となるみたいね。

     私はいつものように前に出ようとしたら、目の前に大きな壁が急にでてきた。
     ディーくんの背中だ。
     彼は私を本当に守る気のようだ。

     シャルドネは桃悟くんの背後に立っていた。
     後衛を担当するのだろう。
     
    「桃、俺を守ってくれよ……」
     
     シャルドネがボソッと呟いた。

    「うん!任せて!」

     桃悟がハキハキとそう告げた。

     ボンッ!

     合図がした。
     その瞬間、私は行動に移す。
     相手には一瞬にして消えたように見えたことだろう。

     (ごめんねディーくん……)
     私は内心謝りながら敵陣へ突き進んでいく。

     桃悟くんは突然目の前に現れた私に向かって慌てて魔法を放つ。
     魔法が当たった地面が少し抉れている。
     当たったら高威力なのだろう。
     だが……避ければ問題はない。

    「っすばやい!」

     私は敵から目を離すことなく、横にまたは転がって避けながら近付いて行く。
     あともうすぐで剣が届く。
     私はお気に入りの剣を魔法で出現させた。
     今回のは長剣一本にした。
     一応杖も持っておくためだ。

    「っく!試合開始直後でチェックメイトかよ!!」
     
     シャルドネが自身と桃悟くんを覆うように炎のサークルを出現させた。

    「桃!姉を近付けさせるな!!近付かせたら終わりだ!!」
     
     シャルドネが大声を出す。
     私は次の一手のため地面を抉るように跳躍する。

     上がガラ空きだよ……2人とも

    「っ!」

     桃悟が弓を構えるような仕草をした。
     家系能力かな?
     嫌な予感がする。
     私は剣を盾にするように構える。

    「っさせるか桃!」

     ディーが地面を揺らすぐらいの勢いのある魔法をあたりに放つ。
     波状的な揺れが桃とシャルドネに襲いかかった。

     ナイスですディーくん!

     私はシャルドネと桃悟の間に着地し、2人に攻撃する。
     2人に一回ずつ平等に。
     一応いつもより威力は軽く。
     ピキッ
     シールドが機能し音がなった。

    「…………」

     半分削ったっぽいわね。
     
    「っ!」

     桃悟くんがギロリと目を光らせているかのように後ろを振り返った。

     ヤバい!
     私は盾にするため、弟の背後に素早く周り桃悟めがけて弟を勢いよく蹴飛ばした。

    「「っうわっ!!」」

     シャルドネが桃悟に被さる。
     私はその隙に後ろに大きく跳躍する。
     スタッ
     私はディーくんのそばに着地した。

    「古代魔術なしでこの強さ……魔法苦手って言ってたから護らないといけないなって思ってたが……不要だったな。今回僕は後衛を担当するよ」

     またディーくんは私の頭をポンポンと撫でてくれた。
     褒めているのだろう。

    「……シャルドネくんが警戒している意味がわかったよ」

     桃悟が倒れ込んだシャルドネに手を差し伸べ立たせながらそう言った。

    「なっ?ヤバいだろ?見ただろ?あの研ぎ澄まされた目を」

    「……ヤる気に満ち溢れていたね……シャルちゃん戦闘時はこんなかんじなんだ……」

     桃悟くんの頭の中では、同級生フォルダーの中にある私の欄に追加データーを書き込んでいることだろう。
     証拠に、目を細め静かに私を見つめていた。
     
     2度も同じ手は通用しなさそう……どうしよう。
     
    「……うーん……」

     私はどう切りこんでいこうか悩みながら剣を構えた。

    「シャルロット、こういうのは好きか?」

     ディーくんが杖を構える。

    「桃にシャルドネすまないな……この闘い本気で勝ちに行かせてもらう」
     
     言い終わると同時にディーくんは霧を発生させた。
     あたり一面濃い霧に包まれる。

     (ナイスアシストですディーくん!)

     私はグッと親指を立てた。
     彼が見ているかどうか分からないけど。

    (さて……)
     
     聴力のいい同族がいるから気を付けないと……
     シャルドネと私は見えない視界でも、聴力だけで相手の足音で大体の位置が分かる。
     まぁ、弟は私ほど詳細に分からないでしょうけど。
     
     私は慎重に近付きつつ、石を拾って2人に投げていく。

     ピキッ
     ヒットしたようだ。

    「っ!ちょっと??マジかよ!本気になるなって!!」

     シャルドネが霧を吹き飛ばそうと杖で突風を作り出した。
     竜巻の中にいるような凄まじい風。
     私は飛ばされないように剣を地面に刺して耐える。
     私は風に耐えながらチラッと敵2人を見てみる。
     炎のサークルが消えていた。
     シャルドネが炎から風に魔法を変えたためだ。
     まずい。
     炎で覆っていた時はあちらもこちらの状況を把握できなかったというのに。
     それに、シャルドネと桃悟くんは竜巻の中心部にいる。
     その中心部は何故か風の影響を受けないようだった。
     
     桃悟くんが弓を構える仕草をする。
     左手に杖、右手には魔法で出現させた青白い1本の大矢が……ディーくんの方を向いていた。

     スパンッ
     ピキッと音が聞こえた。
     風で動けぬディー君にワンヒットする。

     私はチラッと後ろを見る。
     ディーくんのは8割耐久度が持ってかれたと見た。
     
    (一撃でそれって凄くない?)

     次に矢先が私の方に向けられた。
     風が強すぎて次の攻撃をしに行くのは難しそうだ。
     一旦離脱をしよう。

    「ウォォオオオオ!!!!」

     ディーくんが大声を上げて真上に杖を掲げた。
     魔法で雷鳴を響かせている。
     彼は雷を呼び込んでいるようだ。
     相手が動かないならドカンと1発ぶち込むつもりなのだろう。
     風で身体が飛ばないよう、地面から蔦を自身の足に絡ましていた。
     賢すぎる。

    (ナイスディーくん!)

    「……っ!」

     桃悟くんもそれに気付いたようだ。
     ディーくんは範囲系高威力の魔法が得意。
     当たったら1発アウトは確定。
     もう逃げるしかない。

     私はその場から離脱するため、軽くジャンプした。
     風に身を任せるように身体の力は抜いてフワフワと空中を漂う。
     地面に身体が着地すると、ゴロゴロと転がり回転してしまう。
     私は回転を止めるために剣を地面に刺して身体を停止させた。

    「っ!、だから遊びだろ?!本気になるなって!!」

     シャルドネが空を見上げてながらそう言った。

     ピューーッ!
     桃悟くんが冷静に指笛を鳴らした。
     すると魔法の馬が突然彼の前に出現する。
     その馬は守護魔法のような青白く透明に光っていた。
     桃悟くんはかっこよくそれに騎乗する。
     
    (守護魔法とは違って触れられるみたいね……霊馬っていうのかな?)
     
    「シャルくん!」

     桃悟くんはシャルドネの腕を掴んで馬に乗せる。
     
     ズドンッ
     
     2人は間一髪のタイミングでその場を離れることに成功した。
     ギリギリだった。
     先程2人がいた場所をチラッと見てみる。
     地面が魔法の衝撃で広く深く凹んでいた。
     草の焦げ臭い匂いがあたりに漂う。

     竜巻もシャルドネが操っていないからか消えていた。
     竜巻のおかげか、あたりの空雲が吹き飛び、空は青々と綺麗な晴天に変わった。
     

    「ふっ、さっきのは危なかったぜ」
     
     ディー君は嬉しそうに言った。
     戦うのが元々好きなのだろう。

    「それはこっちのセリフだよディーくん」

     桃悟は霊馬に乗りながらそう言った。
     ディーはニヤリと微笑んだ。

    「シャルドネ、さては今まで姉に頼り切ってたな?残念だったな、お姉ちゃんはこっちサイドだ」

    「そうだよ。味方だと頼りになるが、いざ敵としてご対面したらヤバいというのは今回身に染みて感じたよ」

     シャルドネは本当に嫌そうな表情でそう言った。

    「ふっ……さて、試合の続きを――」

    「――あの!すみません!!」

     ディーくんの声に合わさるように誰かが私達に話しかけてきた。

    「お助けください!あちら側の辺境の村の者なんですが、荒くれ者らが私らの村の物資を漁っておりまして……お願いします!!」

     村人は土下座をしつつそう言ってきた。

    「だってさ」

     ディーくんが楽しそうに言いながら杖をしまった。

    「だね、この試合の続きはまた今度ということにしよう」

     桃悟くんも杖をしまう。

    「……はぁ?なんで助けに行かなきゃならないんだ?メリットがない」

     シャルドネはそう言った。
     そんなこと言ったら叱られそうだけど……。

    「こら、そんなこと言わないの」

     ほら、桃悟くんに叱られてやんの。

    「……っ分かったって!ほら、私に乗れ皆。箒よりは早いだろう」

     シャルドネは渋々ながらも竜に変身した。

     竜体には見たこともない鞍のようなものが付いていた。

    「僕が買ってあげたやつ着けてくれたの?嬉しいよ」

     桃悟くんは跨がりながら嬉しそうにポンポンとシャルドネの首元を優しく撫でていた。
     桃悟くん、私、ディーくんの順番に座った。
     私は桃悟くんの腰に遠慮なくムギュッと抱き付く。
     ディーくんも私を覆うように桃悟くんにしがみついた。

     シャルドネが跳躍する。
     瞬く間に地面が離れていく。
     このスピードだと目的地までもう数秒で着くだろう。

    「はやっ、ドラゴンに乗るのは初めてだ」

     ディーくんが私の後ろでボソッと呟いた。

    「…………2人とも先行ってて」

     2人の戦闘力はさっき知った。
     充分任せられるし頼りになる。

    「「了解」」

     ディーくんは箒を片手に出現させ、桃悟くんは指笛を鳴らせるように口元に指を近付けた。

     目的地の上空に到着すると2人は、ホバリングするシャルドネから飛び降りた。

     私も2人の後に続いて飛び降りる。
     箒も翼も出現させないで。
     必要ないから。
     標高から落ちて着地しても大丈夫な技を覚えているの。
     ほら、目的地には藁山があるもの。
     2人にお見せする絶好の機会だわ。
     とある暗殺者集団の技なんだけど……なんて名前だったっけ?
     空高く舞い上がる……そう私の守護霊である鷲のような名前だったような……

     ……そうそう
     
     イーグルダイブ
     
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works