献杯日下部の元気がない。というものの、いつも通り朝に食堂で顔を合わせ「おはようさん」といつも通りの挨拶を交わし、いつも通り朝食を食べたのだが。任務の話を振れば「飯食ってる時に仕事の話すんなよ」「まだ勤務時間じゃねえんだ」と軽口を叩いていた。これもいつも通りなのだが、言葉や仕草の端々に違和感があった。無理をして気を張っている、気落ちしないよう注意深く『いつも通り』を装っている…あくまで予測だが、そんな風に感じた。
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日も傾き始め、こちらは任務を終えたところ、あちらは一通り今日の授業を終えたところだろうか。今日もきっと熱心な虎杖や真希君に体術の相手をしろだの追いかけられているだろうな…そうあってほしい。そう思いながら一言二言メッセージを送信した。これで20、30分も経てば流石に面倒臭がりの日下部でも返信してくるだろう。ひとまずスマホをポケットに戻し、本校舎の職員室に報告書を渡しに行く。
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