アキバの3人が合宿をしたという話を聞いて、うちの兎が騒がないはずが無かった。あんたたちがやりたいなら、なんて言い方は気に入らないが、興味がないと言うのも嘘だった。それは紫杏も一緒だったようで、なんやかんやと言いながらも神宮前参道學院の第一回強化合宿が開催されることとなったのだ。
なったはずだった。宿泊は許しが出なかったと、紫杏は夕飯を食べて帰ってしまった。必然的に残るのは雛と美々兎の二人だけ。合宿をする、という目標が達成されてしまったからか、美々兎はいつもにまして集中力が無かった。とりあえずかけているだけ、といったようなプレイで、いつもとは違うメロウな曲を流す。
「あーあ、合宿っていっても学校に泊まるだけだもの、そんなに変わったこともなかったわね」
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